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2001 年度 実績報告書

腫瘍血管の病理学的特殊性-樹脂鋳型走査型電子顕微鏡による3次元的観察-

研究課題

研究課題/領域番号 11660317
研究機関麻布大学

研究代表者

二宮 博義  麻布大学, 獣医学部, 教授 (00063967)

キーワードbudding / 中心壊死 / intra arterial cushion / 血管新生 / 血管鋳型 / 腫瘍血管 / 走査型電子顕微鏡
研究概要

これまで、我々はラット繊維肉腫、ラット繊維腺腫、ラット乳頭状腺腫、イヌ扁平上皮癌イヌ可移植性性器肉腫、チャイニーズハムスター肝細胞癌、イヌ肝臓癌のそれぞれの血管系について観察してきた.それぞれの腫瘍に共通する特徴として、1)腫瘍血管には血流調節装置であるintra-arterial cushionが存在しない、2)腫瘍に分布する動脈では、血管中膜を構成する平滑筋細胞に退行性変化が見られる等を確認した。2000-2002年度の研究では研究範囲をさらに広め、観察の目的を、ラット乳癌の血管構築を明らかにすることとした、観察の主眼を腫瘍組織内での血管新生過程と血管系の退行過程(中心壊死の形成過程)とした。
研究方法は以下のとおりである.1)7,12dimethylbenzanthraceneをラットに投与し乳癌を得て、2)乳癌の血管系の樹脂鋳型標本を作成し、3>得られた標本を走査型電子顕微鏡で観察する。
観察結果は以下のとおりである.乳癌での血管新生は次の過程を経ることが解明された。1)既存の血管に新しい細い血管が刺状に発達(buddingの形成)する。2)隣接する同様のの血管から同様のbuddingが進展する、3)buddingが次第に進展し先端付近で互いに連結し、一つのhair-pinを形成する、4)それぞれのhair-pinが互いに連結し複雑な血管網を形成する。また、血管系の退行は以下の過程を経ことが解明された。1)腫瘍動脈の平滑筋細胞に変性(形質溶解、空胞化)が起きる.2)動脈壁が薄くなり血管腔が拡張し静脈化する.3)腫瘍中心部では血管腔の狭窄、扁平化、断裂が起き、本来の血管構築が消失する.今回の研究により、腫瘍血管の新生過程および退行過程(中心壊死の形成過程)を三次元的に詳細に示し、腫瘍血管の特性を明らかにすることができた。本研究の成果は、現在Veteri nary Pathology(USA)に投稿中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ninomiya H.: "Microvasculature of the rat eye : Scanning electron microscopy of vascular rcorrosion casts"Veterinary Ophthalmology. 4. 55-59 (2001)

  • [文献書誌] Ninomiya H., Ogata M.: "Notoerric mange in tow free-ranging American raccons (Procyon lotor) in Japan"Veterinary Dermatology. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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