研究概要 |
目的 生体内のコラーゲン増加に関与しているアンチプロテアーゼ(主にα1antitrypsin:α1AT,Secretary Leukocyte Protease Inhibitor:SLPI)蛋白の変動とその生物的意義を病態学的立場から明らかにする。また、パラコート(PQ)により肺線維症が誘発される動物(ヒト、サル、ラット)と肺線維症が誘発されない動物(ウサギ)の存在が明らかになっているため、この動物種差の違いからアンチプロテアーゼ(α1AT,SLPI)をproteome解析の面から追及することで臓器線維症発現メカニズムの解明へアプローチする。正常ウサギ、ラットとPQウサギ、ラットのアンチプロテアーゼ(α1AT,SLPI)の蛋白を構造解析することで臓器線維症の発現メカニズムの一因を解明できると考える。 方法 ミクロ2次元電気泳動(2D-PAGE)分析を用いて、正常ウサギ、ラットとPQウサギ、ラットの血清1μ1よりアンチプロテアーゼ(α1AT,SLPI)を検出する。これらの蛋白マップを完成し、その蛋白質の発現をデータベース化する。この蛋白マップの時間的変動を追及することによっていまだ解明されない肺線維症の一因と関与しているアンチプロテアーゼ(α1AT,SLPI)の変異や欠質を直接捕らえることを検討する。 結果 ラットの抗-コラゲーナー蛋白(主にα-2macroglobulin:α-2M)に加え、正常血清ウサギおよびPQ誘発ウサギとラットのアンチプロテアーゼ(α1AT,SLPI)の蛋白マップの完成を試みた。その結果、正常ウサギとラットにおいてα-2Mとα1ATの局在に差があることが確認された。
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