研究概要 |
減少しつつある里山や人里の植物を現地で保護できるよう取り組むことは重要であり、それに取り組む一方で、取り返しがつかなくなる前に、そこの植物の種子を収集し、生存状態で保存し、研究や自然の復元などに役立てることを目的にこの研究を行った。 この期間中に収集できた都道府県は13にのぼり、平成12年4月以降に採集した種子及び標本は142科811種、1,260点であった。 現在収蔵しているさく葉標本や種子の科、種、点数を挙げると、さく葉標本は248科5,641種46,817点、種子は220科4,265種24,642点、冷凍保存種子は191科2,572種10,435点、里山植物の種子111科568種3,091点、人里植物の種子103科892種13,271点である。インターネットのホームページ(http://www.rib.okayama-u.ac.jp/wild/index.sjis.html)に種子の収集状況や画像を公開している。 この期間中には80件の種子を希望者に提供した。年々増加しており、共同研究などに発展している。 日本に自生あるいは帰化している植物の中で里山の植物と呼べる種として129科784種を数えた。うち107科521種2,087点の生存種子が収集できている。レッドリスト掲載種は17科25種であった。 人里に生育している種類は約119科1,050種と算定された。うち98科842種6,187点の生存種子が収集できている。レッドリストに掲載されている種類が29科50種あり、里山よりも種類数が多かった。 本年度は「日本雑草図説」に載せている故笠原安夫教授が作成された子葉や幼植物の標本60科309種838点をデータベースに登録した。
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