研究概要 |
この研究を通じて収集できた野生植物は2003年3月11日現在でさく葉標本が250科5,515種、52,310点、種子標本が220科4,419種26,410点となった。収集できた種子の内195科2,800種12,078点の種子は-30℃で冷凍保存しており、生存していると考えられる。 日本に自生する植物の中で里山の植物と判断した種類は129科780種、人里の植物と判断した種類は119科1,046種であった。この研究を通じて種子が収集できた里山の植物は111科595種、4,319点あり、種子が収集できた人里の植物は102科893種14,157点であった。この結果は里山の植物の76%、人里の植物の85%が収集された結果になり、当初の目標は達成できた。 生活型などをもとに里山の植物の種類数を分類すると、シダ植物96種、木本232種、多年草365種、1,2年草52種、藤本35となった。人里の植物ではシダ植物71種、木本66種、多年草465種、1,2年草437種、藤本16種となり、里山と人里では木本と1,2年草の種類数に大きな開きがあった。 137科1,232種、1,531点の種子あるいは果実の写真撮影を行い、コンピュータデータベースに取り込んだ。冊子体の本報告書には里山の植物の種子及び果実の画像を掲載している。 この研究期間中に外部からの依頼により358件、210種類の種子を配布した。種子の利用目的はDNAの抽出や植物分類、ウイルスの検定、法面や畦畔の管理、植物を用いた重金属除去、耐塩性検定、成分抽出、植物防疫、種子の同定による犯罪捜査などさまざまであった。
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