研究概要 |
この研究を通じて収集できた野生植物は2003年4月2日現在で、さく葉標本が250科5,817種、52,368点、種子標本が220科4,422種26,456点となった。収集できた種子の内196科2,806種12,143点の種子は-30℃で冷凍保存しており、生存していると考えられる。 この研究を通じて里山の植物として判定した種は129科779種であった。人里の植物として判定した種は119科1,046種であった。種子が収集できた里山の植物は111科595種、4,319点あり、人里の植物は102科893種14,157点であった。この結果は里山の植物の76%、人里の植物の85%が収集された結果になり、当初の目標は達成できた。 生活型などをもとに里山の植物の種類数を分類すると、シダ植物96種、木本232種、多年草365種、1,2年草52種、藤本35となった。人里の植物ではシダ植物71種、木本66種、多年草465種、1,2年草437種、藤本16種となり、里山と人里では木本と1,2年草の種類数に大きな開きがあった。 137科1,232種、1,531点の種子あるいは果実の写真撮影を行い、コンピュータデータベースに取り込んだ。用いた実体顕微鏡はオリンパス社製SZH-111対物レンズは0.5,1,2倍を使用した。35mmカラースラードフィルムを使用、報告書にはスライドからダイレクトプリントした写真にスケールを貼り付け、カラーコピーで作成した。種子あるいは果実の写真撮影が行えた種類が519種類あったので、巻末に写真集として掲載した。 この研究期間中に外部からの依頼により358件、210種類の種子を配布した。種子の利用目的はDNAの抽出や植物分類、ウイルスの検定、法面や畦畔の管理、植物を用いた重金属除去、耐塩性検定、成分抽出、植物防疫、種子の同定による犯罪捜査などさまざまであった。
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