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2001 年度 実績報告書

光により発現する矮化遺伝子の探索(遺伝子資源の開発をめざして)

研究課題

研究課題/領域番号 11660323
研究機関香川大学

研究代表者

加藤 尚  香川大学, 農学部, 助教授 (50222196)

キーワード矮性遺伝子 / 光生長抑制 / ジベレリン / RT-PCR / 3β-ヒドロキシラーゼ / 赤色光 / 矮性エンドウ / 蔓性エンドウ
研究概要

矮性エンドウ(品種Progress)は,暗黒中では他の蔓性のエンドウ(品種Alaska)とほぼ同様に生長するが,赤色光が照射されると著しい生長抑制が起こり,始めて矮性形質が発現する.本研究の目的は,この矮性ニンドウの矮性発現の仕組みを遺伝子レベルで解明することにある.3β-ヒドロキシラーゼ(3β-H)は,植物ホルモン・ジベレリンの合成代謝経路で特に重要な役割を持っている.そこで,前年度に引き続き本年度はこの3β-H遺伝子の光による発現特性を検討した.暗所で育てた6日齢の矮性エンドウと蔓性エンドウに赤色光を24時間照射し,両エンドウを先端部,第3,第2,第1節間に分け,部位ごとの3β-H遺伝子の発現量を定量的RT-PCR法で決定した.その結果,対照区(完全暗所)では,両エンドウともに第3節間(この齢での伸長帯がある)で3β-H遺伝子の発現量が最も多く,先端部では少なかった.24時間の赤色光は,両エンドウの第3節間での3β-H遺伝子の発現を著しく抑制したが,他の部位での発現には大きな影響を与えなかった.次に,先端部と第3節間における,3β-H遺伝子の発現量を24時間まで2時間毎に調べた.その結果,蔓性エンドウの先端部で,2時間後に3β-H遺伝子の爆発的な発現量の増加が起こり,4時間後から急激に減少した.しかし,矮性エンドウでは,先端部での3β-H遺伝子発現量の増加ば見られなかった.一方,両エンドウともに第3節間での3β-H遺伝子の発現は,時間の経過とともに減少していたが,矮性エンドウでの減少が大きかった.しかし,赤色光による両エンドウの生長抑制の差を十分に説明できるだけ,両エンドウでの3β-H遺伝子の発現量に差はなかった.以上の研究結果は,3β-H遺伝子の発現量のコントロールで,矮性エンドウの赤色光による矮性発現をすべて説明することばできないことを示唆している.従って今後,矮性発現に関与していると考えられる別の遺伝子(すでに見出している光照射により特異的に発現すると考えられる矮性エンドウの遺伝子)の構造や機能を明らかにする必要があると考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kato-Noguchi, H.: "Effects of red light on gibberellin 3β-hydroxylase gene expression in dark-grown seedlings of dwarf and tall cultivars of Pisum sativum"Journal of Plant Physiology. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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