1.3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素、17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素のポリクローナル抗体の作製に成功した。これらの抗体はラットの卵巣、副腎の免疫組織化学に使用できることもわかった。 2.骨髄巨核球系のCMK細胞について、プロスタグランジン合成の最初に位置するシクロオキシゲナーゼ1型の発現と局在を調べたところ、非刺激下では発現しておらず、ホルボールエステル存在下で発現し、その際核膜腔及び粗面小胞体腔に酵素の存在を示す免疫反応物が存在することがわかった。 3.前立腺肥大のモデル動物において、男性ホルモン受容体は前立腺の腺上皮細胞と間質細胞の核に、5α-リダクターゼは腺上皮細胞の細胞質に免疫染色が陽性で正常動物と異ならなかった。これに、抗男性ホルモン剤であるchlormadinone acetate(CMA)を投与すると、前立腺が小さくなること、その際腺上皮細胞の男性ホルモン受容体、5α-リダクターゼが免疫染色陰性になり、電顕的にも萎縮すること、間質組織の細胞の男性ホルモン受容体も免疫染色陰性になるが間質そのものの萎縮像は見られないことがわかった。 4.ラット胃、腸について12-リポキシゲナーゼの免疫組織化学をおこなったところ、腸のセロトニン含有内分泌細胞がこの酵素を持っていることがわかった。 5.PGFを合成する酵素の二つのアイソザイムの局在をラットの脊髄で検索した結果、肺型酵素は血管内皮細胞と神経細胞の樹状突起に、肝臓型酵素は血管内皮とタニサイトに存在することがわかった。PGFは神経の興奮の受容、伝導になんらかの役割をもっていると推測される。。 6.17α-水酸化/C17-20リアーゼの機能調節に関与すると考えられるチトクロームb5の抗体の作成を試みたが充分な力価のものは得られなかった。
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