研究課題/領域番号 |
11670025
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
鷲見 和 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20121197)
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研究分担者 |
原 正幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10198898)
吉田 稔 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (80081660)
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キーワード | メラトニン / シスプラチン / 活性酸素 / 6-ヒドロキシメラトニン / スカベンジャー / in vitro |
研究概要 |
in vitro(試験管内)でメラトニンが活性酸素消去作用を示すか否かを検討した。また、メラトニンの体内代謝産物である6-ヒドロキシメラトニンの活性酸素消去作用についても同様に検討した。活性酸素はヒポキサンチン-キサンチンオキシダーゼ(XOD)系で産生し、その活性酸素産生量をLuminol試薬による化学発光で測定した。また、同様にプラチナ化合物であるシスプラチンによる活性酸素の産生についても調べた。実験はXOD系で産生される活性酸素に対し、各種濃度のメラトニンおよび6-ヒドロキシメラトニンを加えて行った。プラチナ化合物による活性酸素産生能は、各種濃度のシスプラチン、K_2(PtCl_4)、K_2PtCl_6を種々のpHのリン酸緩衝溶液に加えた後に産生される活性酸素量を測定した。 XOD系で産生された活性酸素に対しメラトニンを各種濃度で添加しても、対照(メラトニン無添加)との間に有意差は認められなかった。これに対し、6-ヒドロキシメラトニンは用量依存的に活性酸素の消去作用を示した。また、プラチナ化合物による活性酸素の産生はK_2PtCl_6およびシスプラチンに認められたが、K_2PtCl_4には全く認められなかった。さらに、シスプラチンで産生させた活性酸素は、メラトニンの添加では変化なかったが、6-ヒドロキシメラトニンは産生された活性酸素の約50%を消去した。 以上の結果より、in vitroにおける活性酸素消去作用はメラトニンにはほとんど認められず、むしろ6-ヒドロキシメラトニンのほうがより強力な活性酸素消去作用を持つことが明らかとなった。
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