研究課題/領域番号 |
11670029
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
藤本 淳 産業医科大学, 医学部, 教授 (80080547)
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研究分担者 |
工藤 秀明 産業医科大学, 医学部, 講師 (40289575)
土肥 良秋 産業医科大学, 医学部, 助教授 (30258602)
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キーワード | ヒト臍帯静脈内皮細胞 / 低酸素 / エンドセリン-1 / Weibel-Palade小体 / 細胞培養 / mRNA / RT-PCR / エンドセリン変換酵素 |
研究概要 |
本年度の研究実施計画に沿って、1)培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を材料とし、15分間および60分間の急性低酸素暴露刺激を与え、透過型電顕観察し、対照群と比較したところ、15分暴露群HUVECのWeibel-Palade(WP)小体数は増加傾向にあり、60分暴露群では有意な増加を示すことが確認された。また、培養液中のエンドセリン(ET)-1濃度を測定し、対照群と比較したところ、急性低酸素暴露群ではWP小体数の増加に相関したET-1濃度の上昇がみられた。2)ET-1前駆体mRNAの検出のために、RT-PCRに用いる特異的なプライマーの配列をヒトET-1前駆体mRNAの配列を元に設計し、オリゴヌクレオチドを合成した。HUVECから調整したpoly(A)+RNAを鋳型とし、上記プライマーを用いたRT-PCR法によりET-1前駆体cDNA断片を得た。現在、このcDNA断片のサブクローニングが進行中であり、塩基配列解析による挿入方向の確認後、in vitro transcriptionによりanti sense鎖、およびsense鎖のジゴキシゲニン標識cRNAプローブを作製する予定である。3)データーベースよりエンドセリン変換酵素のアミノ酸配列を入手し、親水性、二次構造および他のタンパクとの相同性から、ペプチド抗原に適切なアミノ酸配列を予測し、15残基からなる合成ペプチドを作成した。この合成ペプチドをキャリアータンパクとしてKeyhole Limpet Hemocyanin(KLH)にカップリングさせ、抗原として家兎に免疫した。得られた抗血清を抗原ペプチド固相カラムによるアフィニティー精製を行い、現在、ELISA、ウエスタンブロットティングおよび免疫組織化学的解析により抗体の特異性を検討中である。
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