研究課題/領域番号 |
11670034
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
福田 康一郎 千葉大学, 医学部, 教授 (10009649)
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研究分担者 |
桑木 共之 千葉大学, 医学部, 講師 (80205260)
林 文明 千葉大学, 医学部, 助教授 (80173029)
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キーワード | 新生ラット / 呼吸リズム / 窒息 / 生後変化 / 延髄標本 |
研究概要 |
本研究は、新生ラットでは正常状態と窒息時に異なる呼吸リズムを発生するというリズム形成の多様性に着目し、両リズム発現が可逆的に移行が可能か否かをハロタン麻酔下の全身標本で検討した。また、新生ラットは低酸素耐性が高いためにこのようなリズム発生に多様性があると考えられので、成熟過程で低酸素耐性が低下するに伴って呼吸リズム発現の多様性も失われるかどうかを検討した。これらの実験は標本の鮮度を保つために温度を下げて行われるので、体温低下の伴う至適麻酔深度の設定や低酸素に対する呼吸反応の変化についても検討した。また、低酸素に対する多様な呼吸反応の分析および低酸素耐性増大の方法についての解析も行った。さらに新生ラットの全身標本で見られる窒息時の呼吸リズムが摘出延髄標本における周期性活動と一致するかどうかも検討した。 生後1〜6日の新生ラットでは、人工呼吸停止による窒息させると、はじめに正常呼吸が増大するが、次いで呼吸数が減少し、やがて正常呼吸リズムは停止した。しかし、数分以内に緩徐な2次的呼吸リズムが発生し、50分以上持続した。人工呼吸を再開すると、2次的呼吸リズムは停止し、正常呼吸リズムが再開した。この窒息中の2次的呼吸リズムのパターンは、摘出延髄標本で見られる呼吸様の周期性活動と一致した。生後1ヶ月の若年成熟ラットでも、人工呼吸停止時に同様の2次的呼吸リズムが出現するが、短時間で消失し人工呼吸を再開しても正常呼吸リズムは回復しなかった。 以上から、新生ラットでは、正常状態と窒息時に異なる呼吸リズムが発生し、両者は可逆的〓可能であることを明らかとなった。
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