研究課題/領域番号 |
11670048
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
亀山 正樹 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60150059)
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研究分担者 |
はお 麗英 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40311881)
亀山 亜砂子 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70244225)
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キーワード | Caチャネル / run-down / カルパスタチン / パッチクランプ |
研究概要 |
L型Caチャンネルはcell-freeパッチなどで活性が消失する(run-down現象)が、心筋などのcytoplasmを与えると活性が回復する。これまでの研究により、cytoplasmにあるチャネル活性化因子の一つはあるプロテアーゼインヒビターであるカルパスタチンであると想定されているが、加えて別の蛋白が関与することも示唆されている。本研究では、この未知の因子(H因子)を同定し、その性質を明らかにする目的で計画された。牛心臓より調整した心筋抽出液をゲルろ過してH因子のある分画(既知)を採取し、それをDEAEクロマトグラフィーで分画し、それを単一心筋細胞のinside-outパッチのCaチャネルに作用させるという検定法により、H因子のDEAEクロマトグラフィー溶出位置を明らかにした。また、H因子の各種フォスフォリパーゼに対する感受性を検討した結果、フォスフォリパーゼA2に感受性を持つことが判明した。一方、細胞内因子によるチャネル活性化作用とチャネルリン酸化によるup-regulationとの関連を検討したところ、両者が互いにほぼ独立した機構であることが明らかになった。以上の結果と前の研究で判明した細胞内ATPがCaチャネルの活性に必要であることを併せると、L型Caチャネルはcytoplasmに存在する複数の蛋白因子とATPにより、蛋白リン酸化とは異なる機構で基礎活性が維持され、チャネルリン酸化はそこからのup-regulationに関与していると考えられる。
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