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1999 年度 実績報告書

胃粘液開口放出の細胞内C1-及びG蛋白による調節機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670052
研究機関大阪医科大学

研究代表者

中張 隆司  大阪医科大学, 医学部, 講師 (20189020)

キーワードgastric mucin secretion / video-microscopy / cell volume / exocytosis / intracellular Ca^<2+> concentration / intracellular Cl^- concentration
研究概要

コラゲナーゼ処理により得られた単離モルモット胃幽門腺粘液細胞をビデオ顕微鏡を用い、アセチルコリン刺激時の開口放出反応、及び細胞容積変化を観察した。アセチルコリン刺激は、一過性に開口放出反応を活性化し、同時に細胞容積の減少を引き起こした。この反応は、細胞内のCa^<2+>をを介した反応であった。細胞内Ca^<2+>の上昇はCa^<2+>依存性K^+及びCl^-チャンネルを活性化し、細胞内からKClの脱出を引き起こし、細胞容積を減少させていた。今回の結果は、この細胞容積の減少を大きくすると、細胞内Ca^<2+>依存性の胃幽門粘液顆粒細胞の開口放出反応は増加し、また、細胞容積を増大させると開口放出反応は減少した。このように、細胞容積変化がCa^<2+>依存性の開口放出反応を修飾することが明かとなった。さらに細胞容積変化が、細胞内イオン濃度の変化をおこすことで、開口放出反応を修飾していると考えた。この仮説を検証するために、細胞外のNaCl濃度を変化させ、高浸透圧と低浸透圧負荷の実験を行った。高浸透圧と低浸透圧負荷はいずれもCa^<2+>依存性の開口放出反応を増加させた。これらの結果から、細胞容積変化により引き起こされた、細胞内のNa^+イオン濃度の増加、Cl^-イオン濃度の減少が、それぞれCa^<2+>依存性の開口放出反応を増加させている可能性が考えられた。この結果を踏まえ、次年度は細胞内のイオン濃度をnystatinを用いることでコントロールし、細胞内イオン濃度の修飾作用にについて検討する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Fujiwara,S: "Isosmotic modulation of Ca^<2+> -regulated exocytosis in guinea pig antral mucous cells:role of cell volume"Journal of Physiology(Lond). 516(1). 85-100 (1999)

  • [文献書誌] Nakahari,T: "Inhibition of Ca^<2+> entry caused by depolarization in acetylcholine-stimulated antral mucous cells of fuinea pig : G protein regulation of Ca^<2+> permeable channels"Japanese Journal of Physiology. 49(6). 545-550 (1999)

  • [文献書誌] Nakahari,T: "Accumulation of cAMP evoked by acetylcholine stimulation in rat submandibular acinar cells:observation of exocytosis,fluid secretion and [Ca^<2+>]"Experimental Physiology. 85(2). 159-166 (2000)

  • [文献書誌] Sugita,M: "Visualization of the secretory process involved in Ca^<2+> -activated fluid secretion from rat submandibular glands using fluorescent dye,calcein"European Journal of Cell Biology. (in press). (2000)

  • [文献書誌] 大西敦子: "Prostaglandin E_2による胃幽門腺細胞からの粘液開口放出反応"大阪医科大学雑誌. 58(1). 1-5 (1999)

  • [文献書誌] 吉田秀世: "顎下腺腺房細胞における容量的Ca^<2+>流入のcAMPによる調節"大阪医科大学雑誌. 58(1). 62-66 (1999)

  • [文献書誌] 大西敦子: "Prostaglandin E_2による胃幽門腺細胞からの粘液開口放出反応:細胞内Ca^<2+>調節"大阪医科大学雑誌. 58(2). 83-87 (1999)

  • [文献書誌] 中畑孔克: "prostaglandin EP2/EP4 receptor刺激による胃幽門腺粘液細胞からの開口放出反応"大阪医科大学雑誌. 58(3). 73-77 (1999)

  • [文献書誌] 細井慶太: "アミロライドが引き起こした肺胞II型細胞の容積変化"大阪医科大学雑誌. 58(3). 78-82 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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