研究課題/領域番号 |
11670064
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柳平 坦徳 信州大学, 医学部, 講師 (10020760)
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研究分担者 |
能勢 博 信州大学, 医学部, 教授 (40128715)
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キーワード | 老化と寿命 / 制限自主運動 / サーカディアンリズム / 夜間活動量 / SAMP1 / 自発性活動量 / 運動量 / 自発運動によるリズムの改善 |
研究概要 |
食餌、運動が老化促進モデルマウスの老化・寿命に及ぼす影響を調べる第二実験として、若い時期における短命系の促進老化マウスSAMP1(以下P1と略)における自主活動量(以下SMAと略)サーカディアンリズムと自発的輪回し運動(以下SWRと略)がそのリズムに与える効果について、長命系の正常老化マウSAMR1(以下R1と略)と比較検討した。P1マウスは、食物及び水分摂取量はR1マウス・と比較して、明期に有意な増加(p<0.01)、暗期に有意な減少(p<0.01)を示した。動物の夜間活動量を示す%nocturnal activityではR1マウスが食物及び水分摂取量、自主活動量及びSWRがP1マウスのそれらを有意に上回った。これらの結果は普段夜間活動を行うマウスにおいてP1マウスではかなり異常なリズムを示すと解釈される。そこで、このようなP1の生理的、習性的な異常リズムがSWRによって改善されるか否かについて検討を行ってみた。その結果、SWRを行わないマウスと比較して、P1マウスにおいてはSWR運動を通して食物摂取量とSMAカウントの%nocturnal activityの有意な増加(p<0.001)が認められ、更にR1マウスにおいてもSMAカウントの%nocturnal activityの有意な増加(p<0.01)が示された。またSWRを通しての酸素摂取量(VO2)は明期でP1>R1(p<0.05)を示した。更に、R1マウスは夜間ではSWRを含む全ての活動量がP1より多いにも関わらず、暗期におけるVO2にはP1との間に差を認めなかった。以上の結果からP1マウスはR1マウスと比較して、異常な生理的又は習性的リズムを若い時期から持っていることが明らかとなった。そして興味深いことに、SWR運動によってP1はもちろん、R1においてもそれらのリズムは改善されることが認められた。
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