研究概要 |
ヒトやラットを対象にインスリンクランプ法を実施し、以下の結論を得た。 1.Human study 1)高齢者に1日30分間、週3回の歩行を中心とした有酸素運動を実施させたが、加齢によるインスリン抵抗性には効果がみられなかった。 2)油圧マシーンを用いたレジスタンス運動トレーニングは、インスリン感受性には影響を及ぼさなかったが、インスリン反応性は有意に増大した(10.4±0.5→11.3±7.3,P<0.05)。 3)有酸素運動と上記のレジスタンス運動を組み合わせたPACEトレーニングは、インスリン感受性(6.2±0.7→7.2±0.8)、インスリン反応性(10.4±0.5→12.6±0.7)とも有意に改善させた(P<0.05)。 2.Animal study 1)STZ誘発糖尿病による高血糖の結果、インスリン抵抗性が生じる。その際、一酸化窒素(NO)ドナであるSNP投与によりインスリン抵抗性は改善した(11.2±0.8→21.6±2.0,P<0.01)。 2)高果糖食誘発インスリン抵抗性に対しても、SNPの投与はインスリン感受性(16.3±2.1→26.6±3.0,P<0.05)、インスリン反応性(57.2±3.9→71.5±2.1,P<0.05)ともに有効であった。 以上の事実は、インスリン抵抗性に対して有酸素運動のみならず、レジスタンス運動の併用が有効であり、NOが改善に寄与する可能性を示唆する。
|