研究課題/領域番号 |
11670076
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研究機関 | 県立長崎シーボルト大学 |
研究代表者 |
高瀬 幸子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (10046196)
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研究分担者 |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (70195923)
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キーワード | 細胞性レチノール結合たん白質TypeII / PPAR / コアクチベーター / 遺伝子発現 / 小腸 / βカロテン開裂酵素 / ビタミンA |
研究概要 |
1.CRBPII遺伝子転写制御におけるPPARαおよびPPARδの役割:ゲルシフトアッセイではPPAR応答領域に対するPPAR-RXRαヘテロ二量体の結合活性は、PPARα-RXRα、PPARδ-RXRαのいずれの場合も多くの種類の長鎖脂肪酸により増大することが観察されたが、両PPARのうちPPARαの方がその増大は顕著であった。さらに、小腸様細胞株Caco-2でのリガンド応答性をOne-hybridアッセイ系で調べた結果、PPARαはどの長鎖脂肪酸でも活性化されたが、PPARδは一部の飽和および不飽和脂肪酸により特異的な活性化を示した。これらの結果から、小腸においては、PPARαの方が多くの脂肪酸をリガンドとし、CRBPIIなどの小腸発現性のPPAR標的遺伝子の転写を活性化すると考えられた。 2.PPARαおよびPPARδと相互作用する転写活性型補足因子(coactivator)のクローニングとそれらのCRBPII遺伝子転写調節との関連:RT-PCR法によりラットCBPおよびp300コアクチベーターcDNAをクローニングした。それらの組織発現性は、CBPに組織特異性がみられ、ラット小腸ではp300の発現が顕著であった。コアクチベータとPPARとの相互作用を見るTwo-hybridアッセイ実験では、Caco-2細胞においてPPARαはCBPよりむしろp300とのリガンド依存的な相互作用が見られたが、PPARδでは特異性は見られなかった。 3.β-カロテン開裂酵素(BCCE)の単離・精製:ニワトリ十二指腸粘膜からサイトゾルを調製し、FPLCによりBCCEの単離・精製を試みた結果、BCCE活性はUnoQ陰イオンカラムクロマトグラフィーによる分離後、検出できなくなったが、CRBPIIの共存により活性が見られるようになったことから、BCCEはCRBPIIと相互作用してその活性が調節されていると考えられた。またSuperdexゲルろ過カラムで部分精製したところ分子量約47kDaの精製標品を得た。更にRT-PCR法によりニワトリBCCEのcDNAクローンを作製したので現在大腸菌発現系によるBCCEタンパク質の合成を行なっている。
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