研究課題/領域番号 |
11670079
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
金井 節子 財団法人 東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究助手 (90100122)
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研究分担者 |
増田 正雄 財団法人 東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究助手 (20260284)
宮坂 京子 財団法人 東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究部門長 (90166140)
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キーワード | CCK-A受容体欠損ラット / 胃酸分泌 / 胃排出速度 |
研究概要 |
1.胃酸分泌機能および胃内CCK-B/gastrin受容体遺伝子発現 CCK-A受容体欠損ラットおよび正常対照ラットに静脈より、ガストリン(16μg/kg/h)またはヒスタミン(100nmo1/kg/h)を持続注入し経時的に胃液を採取し、胃液中の胃酸をタイトレーターを用い測定した。基礎分泌に差はなかったが刺激に対してはCCK-A受容体欠損ラットの胃酸分泌は有意に亢進していた。 また、胃を前胃および体部に分割し、粘膜をかきとり、胃酸分泌の促進に関与しているCCK-B/gastrin受容体mRNAをNorthern blotで解析したところ、CCK-A受容体欠損ラットでは対照に比し増加していた。 2.胃排出速度 プェノールレッドの経口投与を行い、投与後15、30、60分の胃内のプェノールレッド残量から胃排泄速度を算出し、CCK-A受容体欠損ラットと正常対照ラットで比較したが、予想に反し欠損ラットの方が遅延していた。 3.中枢におけるCCK-A,B受容体の機能分担 行動異常に関しては、すでにopen field testにより、欠損ラットの探索行動が低下することを確認し報告した。しかし、grooming timeの延長、糞便回数、排尿回数の増加については、その機序がはっきりしていないままであるので、これらの情動異常の機序を検討するため、迷路実験を行い、検討中である。 情動には、脳内のドーパミンニューロンが関与していることが想像されている。一方、脳内のドーパミンニューロンとCCKニューロンとは共存している率が高い。よってCCKがCCK受容体を介してドーパミンの作用を修飾し、行動異常をもたらしている可能性もある。そこで、大脳辺縁系ことに海馬、視床下部、黒質、孤束核などを摘出し、ドーパミン、カテコールアミンの組織内濃度の測定を開始した。
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