研究課題/領域番号 |
11670079
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
|
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
金井 節子 (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究助手 (90100122)
|
研究分担者 |
増田 正雄 (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究助手 (20260284)
宮坂 京子 (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究部門長 (90166140)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | CCK-A受容体欠損ラット / 胃排出速度 / 胃酸分泌 / CCK-A受容体ノックアウトマウス |
研究概要 |
CCK-A受容体遺伝子欠損ラットは、今までに摂食亢進、胃への液状餌投与による膵蛋白分泌の減少、膵のサイズの縮小と発育の遅れ、膵外基礎分泌が低い、内外CCK-刺激に対する無反応、インスリン放出の欠陥(障害)など、種々の異常が発見され報告されている。 今回も、胃酸分泌の亢進、胃排出速度の遅延が、新たに確認された。胃内CCK-B/gastrin受容体遺伝子の過発現、胃粘膜の肥大、壁細胞の過形成が観察され、CCK-A受容体遺伝子欠損ラットの胃酸分泌の亢進の原因と考えられた。また、胃排出速度測定におけるレセルピン投与の効果の違いから交感神経の機能増加が推測された。また、高架式迷路実験で観察された、不安類似行動は、CCK-A受容体遺伝子欠損だけでなく、幾つかの神経伝達物質が複雑に関与していると思われる。 CCK-A受容体ノックアウトマウスの作成に成功し、その病態の観察を開始した。このマウスは通常飼育ではCCK-A受容体遺伝子欠損ラットに見られた様な著明な肥満は認められなかった。また、胃酸分泌、胃排出速度にも著明な差は認められなかった。しかし、一年齢以上の胆石発症率に遺伝子タイプで相違がみられ、胆嚢のCCK-A受容体の存在が胆石発症に大きく関与している事を示唆した。 CCK-A受容体遺伝子欠損ラットは兄弟交配をくり返しで確立した系である為、複数の遺伝子異常の存在の可能性もある。今後はCCK-A受容体ノックアウトマウスについて、食餌内容をはじめとする生活環強の変化、他の遺伝子異常マウスとの掛け合わせなどを計画し、CCK-A受容体と肥満や、糖尿病などの生活習慣病との関連を検討して行く必要があると考えている。
|