研究課題/領域番号 |
11670082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
諸井 佳代子 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80110352)
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研究分担者 |
門田 朋子 千葉大学, 医学部, 助教授 (00089864)
木村 定雄 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40134225)
西山 真理子 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00092081)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | G蛋白質シグナル調箇蛋白質(RGS) / G蛋白質情報伝達系 / エンドセリン受容体 / アンジオテンシン受容体 / 細胞内Ca2+移動 / 脱感作(耐性) / 逆耐性 |
研究概要 |
G蛋白質シグナル調節蛋白質(RGS)は三量体G蛋白質のGTPase活性を促進する蛋白として見出されたものである。本研究では、リガンド刺激後見られる脱感作(耐性)/逆耐性現象におけるRGSの関与とその調節機構を明らかにすることを目的とし、以下のような実験を行った。 1.mRNAの組織分布が異なるRGS4、RGS5、RGS9、RGS10およびRGS domainをN末にもつ受容体キナーゼ(GRK)と、それぞれのN末欠損型cDNAをコードする発現vectorを調製した。更にそれぞれのHis-tag付蛋白を精製した。 2.RGS5野生型およびN末欠損型蛋白はGi3α-サブユニットに対して同等のGAP活性を示し、両者ともGi3α,GoαおよびGqαサブユニットと結合した。 3.GRKのN末はGqαサブユニットと結合する事が観察されたが、Gi3α-サブユニットに対してのGAP活性は見られなかった。 4.HEK293細胞に発現したRGS5及びRGS4蛋白の細胞内分布をそれぞれに対する抗体を用いて解析したところ、RGS5野生型はその60%が膜画分に分布するのに対して、N末欠損型RGS5はほぼ全量が可溶性画分に分布した。RGS4は野生型、N末欠損型とも膜画分と可溶性画分両方に分布した。 5.RGS4、RGS5、およびそれぞれのN末欠損体を培養細胞に発現させ、アンジオテンシン及びエンドセリン刺激で起きる細胞内Ca2+の移動量の変化を検討した結果、細胞内Ca2+の移動量は、RGSの発現により容量依存的に抑制されることが観察された。N末欠損体RGS4では野生型に比べて抑制活性が弱いが、N末欠損型RGS5は膜結合が見られないにも関わらず高い抑制活性を示した。GRKN末でも細胞内Ca2+の移動量が減少した。 以上の結果より、エンドセリン/アンジオテンシン受容体におけるG蛋白質情報伝達系がRGS4、RGS5およびGRKN末により負に調節されていることが示され、RGSが脱感作(耐性)における新しい調節機構として働いていることが推察された。
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