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1999 年度 実績報告書

神経細胞におけるイノシトール五リン酸・六リン酸の生理的役割:単一細胞での解析

研究課題

研究課題/領域番号 11670101
研究機関上智大学

研究代表者

笹川 展幸  上智大学, 理工学部, 助教授 (20187107)

研究分担者 今泉 美佳  上智大学, 生命科学研究所, 助手 (40201941)
熊倉 鴻之助  上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
キーワードイノシトール多リン酸 / エクソサイトシス / 副腎髄質クロマフィン細胞 / カテコラミン分泌
研究概要

申請者は無傷培養牛副腎髄質クロマフィン細胞において、従来、受容体刺激等で生成が変動しないと考えられていたイノシトール五リン酸(InsP_5)、イノシトール六リン酸(InsP_6)が、各種刺激に伴い急速に生成される事を発見したが、それらの生成経路や生理的意義は不明であった。最近、申請者らは、ジギトニン透過培養クロマフィン細胞において、InsP_5・InsP_6などのイノシトール多リン酸がシナプトタグミンのC2-Bドメインに結合することにより分泌顆粒とシナプス前膜の結合を抑制し、神経伝達物質の分泌を抑制的に制御している可能性を示唆した。本研究課題では、無傷の単一細胞においてInsP_5・InsP_6の開口分泌における役割を明らかにするため、InsP_5・InsP_6を細胞内にマイクロインジェクションする実験系を確立した。更に、単一細胞からのカテコラミン分泌は、微小炭素繊維電極を用い電気化学的に検出測定する手法を取り入れ安定した実験結果の得られる新たな測定系を確立した。細胞内にInsP_6をマイクロインジェクションするとカテコラミン分泌は著明に抑制されたが、InsP_6と同様のイオン極性とホスファターゼ抑制作用をもつイノシトール六硫酸には有意な作用はなかった。以上の結果は、無傷の細胞においてシナプトタグミンのC2Bドメインに結合しているInsP_5・InsP_6がカテコラミン分泌を抑制的に制御しており、Ca^<2+>流入によって抑制的制御が解除され、カテコラミン分泌が進行することを示するものでる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Sasakawa,et al.: "Increase in cytosolic inositol pentakis and hexakisphospates -"Japanese J.Pharmacol.. 73.suppl.l. 226 (1997)

  • [文献書誌] Ohara-Imaizumi,M.et al.: "Distinct roles of C2A and C2B domains of synaptotagmin in the -"Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 94. 287-291 (1997)

  • [文献書誌] Sasakawa,et al.: "Regulation of exocytosis by inositol polyphosphates via -"Japanese J.Pharmacol.. 76.suppl.l. 136 (1998)

  • [文献書誌] Misonou,H.et al.: "Protein kinase C controls the priming step of regulatory exocytosis -"Cell.Mol.Neurobiol.. 18. 379-390 (1998)

  • [文献書誌] 今泉美佳、他(1998): "イノシトールポリリン酸の役割:開口分泌における調節作用"蛋白質 核酸 酵素. 43. 1789-1793 (1998)

  • [文献書誌] Kumakura,K.et al.: "The Adrenal Chromaffin Cell"Hokkaido Univ.Press;Kanno,T.,Nakazato,Y.,and Kumakura,K.(eds). 394 (1998)

  • [文献書誌] Kumakura,K.et al.: "Keio Univ.Symp.Life Sci.and Med.,2,Neural Development,"Springer:Uemura,K.,Kawamura,K.,and Yazaki,T.(eds). 544 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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