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1999 年度 実績報告書

心筋小胞体Ca^<2+>放出チャネルの細胞内環境下での開口制御機構の研究 蛍光プローブの特異的発現による筋小胞体内カルシウム濃度の高 画像化

研究課題

研究課題/領域番号 11670105
研究機関東邦大学

研究代表者

田中 光  東邦大学, 薬学部, 助教授 (40236617)

キーワード筋小胞体 / リアノジン受容体 / Ca^<2+>スパーク / fluo-3 / 共焦点顕微鏡 / T管 / カメレオン / ミトコンドリア
研究概要

T管のよく発達した心室筋細胞と未発達な心房筋細胞とで正常収縮時のCa^<2+>濃度上昇のパターンを比較した。心室筋細胞を電気刺激すると約4ms後に細胞質全体でほぼ同時にCa^<2+>濃度の上昇が起こった。Ca^<2+>濃度上昇開始後約5msの間上昇の速い部分と遅い部分が見られた。Ca^<2+>濃度上昇の速い部分は細胞の長軸方向に約2μm間隔で規則的に分布しており、x-t表示すると櫛の刃状の画像が得られた。T管の位置と一致していた。一方心房筋細胞では電気刺激後5〜10msecの時点では細胞膜から数ミクロン以内の細胞周辺部でのみCa^<2+>濃度上昇が起こり、それが数十msecかかって細胞深部に拡がるのが観察された。Ca^<2+>濃度上昇が細胞深部に伝わる速度は約100μm/secで、心房筋細胞や心室筋細胞で観察されたCa^<2+>waveの伝搬速度とほぼ同じであった。Ca^<2+>sparkやCa^<2+>waveの性質に心房心室間で違いが見られなかったことから、筋小胞体からのCa^<2+>放出の基本的性質は両部位で同じであると考えられる。T管の未発達な心房筋では細胞膜に接する周辺部の筋小胞体から最初にCa^<2+>放出が起こり、Ca^<2+>waveと同様の機構で細胞深部に伝搬していくと考えられる。
タンパク性カルシウム蛍光プローブ"カメレオン"のcDNAを取得し、チトクロームオキシダーゼcDNAの部分配列をもとにミトコンドリア移行シグナルを付加することに成功した。また、カルセクエストリン由来の筋小胞体移行シグナルの付加にも取り組んでいる。カメレオンおよびミトコンドリア移行シグナルつきカメレオンを培養心筋細胞に強制発現させる方法を検討中である。本年度はリポフェクションを中心に検討したが、発現はみられなかった。以後、トランスフェリン受容体を利用したトランスフェクション法やアデノウイルスを使った方法を検討する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Sekine,H.Kusano,K.Nishimaru,Y.Tanaka,H.Tanaka,K.Shigenobu: "Developmental Conversion of inotropism by endothelin 1 and angiotensinII from posirive to negative in mice"European Journal of Pharmacology. 374. 411-415 (1999)

  • [文献書誌] K.Nishimaru,T.Sekine,Y.Tanaka,H.Tanaka,K.Shigenobu: "Temperature sensitive effects of α-adrenocepton stimulation in mouse ventricular myocardia"Res.Comm.Mol.Path.Pharmacol. 104. 173-180 (1999)

  • [文献書誌] K.Nishimaru,R.Makuta,Y.Tanaka,H.Tanaka K.Shigenobu: "Pharmacological properties of excitation-contraction mechanisms inisolated mouse left atria."Pharmacology. (in press). (2000)

  • [文献書誌] K.Nishimaru,Y.Tanaka,H.Tanaka K.Shigenobu: "Positive and negative inotropic effects of muscarinic receptor stimulation in mouse left atria"Life Sciences. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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