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1999 年度 実績報告書

糖尿病時における血中脂質と血中エンドセリンとの相関関係

研究課題

研究課題/領域番号 11670107
研究機関星薬科大学

研究代表者

鎌田 勝雄  星薬科大学, 医薬品化学研究所, 助教授 (40121496)

研究分担者 末永 浩  星薬科大学, 医薬品化学研究所, 助手 (70277698)
キーワード糖尿病 / 内皮細胞 / インスリン / α受容体 / エンドセリン-1 / ストレプトゾトシン / フルクトース / 血圧
研究概要

平成11年度の研究において以下のような成果が得られた。
【1】糖尿病ラットにインスリンを慢性投与すると、内皮細胞依存性弛緩反応が改善されるが、α刺激薬による収縮反応も著明に増加することを見いだした。収縮に関与するα受容体である(α_<1B>,α_<1D>)受容体のmRNA含量を測定すると、共に著明に増加していることを新たに見いだした。【2】nitric oxide(NO)のドナーであるFK409を糖尿病ラットに慢性的に投与すると、腎血管床および胸部大動脈の内皮細胞の機能が著明に改善することを見いだした。この事実は糖尿病性合併症に本化合物が有効であることを示唆している。【3】ラットにフルクトースを慢性的に摂取させ、インスリン非依存性糖尿病ラットを作製した。血糖値は著明に変化しないが、インスリン値は上昇していることから、インスリン抵抗性であることを確認した。本動物では、血圧は上昇し、内皮細胞依存性弛緩反応は減弱し、NOの分解も促進されていることが確認され、本動物がインスリン非依存性糖尿病ラットのモデルになりうることを証明した。【4】streptozotocinによって誘発した糖尿病ラットにおいて、血中エンドセリン-1が上昇していることは既に発表しているが、今回はその経時変化を詳細に検討した。種々検討した結果、エンドセリン-1の遊離はコレステロールや中性脂肪の増加によるものではなく、血糖値が増加が持続することにより、促進されることを証明した。【5】酸化LDLから遊離されるlysophosphatidylcholine(LPC)を前処置すると、細胞内のCa^<2+>は増加するが、収縮には関与しない事実を新たに発見した。【6】腎血管床にアンギオテンシンIを投与すると収縮反応が生じ、これは変換酵素阻害薬によって抑制されることから、腎血管床において変換酵素が生理的な役割を果たしていることを見いだした。糖尿病時には腎血管床における変換酵素の活性が低下することをも見いだした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Kobayashi and K.Kamata: "Effect of insulin treatment on smooth muscle contractility and endothelium-dependent relaxation in rats aortae from established STZ-induced diabetes."Br.J.Pharmacol.. 127. 335-842 (1999)

  • [文献書誌] K.Kamata and T.Hayashi: "Effects of chronic treatment with the spontaneous nitric oxide releaser FK409 on vascular responses in established streptozotocin-induced diabetic rat."Res.Commun.Mol.Pathol.Pharmacol.. 103. 275-294 (1999)

  • [文献書誌] K.Kamata and K.Yamashita: "Insulin-resistance and impaired endothelium-dependent renal vasodilatation in fructose-fed hypertensive rats."Res.Commun.Mol.Pathol.Pharmacol.. 103. 195-210 (1999)

  • [文献書誌] A.Makino and K.Kamata: "Time-course changes in plasma endothelin-1 and its effects on the mesenteric arterial bed in streptozotocin-induced diabetic rats."Diabetes,Obesity Metabolism. 1. 1-9 (1999)

  • [文献書誌] H.Suenaga and K.Kamata: "Marked dissociation between intracellular C^<a2+> level and contraction on expossure of rat aorta to lysophosphatidylcholine."Eur.J.Pharmacol.. 378. 177-186 (1999)

  • [文献書誌] K.Kamata and K.Mizutani: "Change in angiotensin converting enzyme activity in the renal vascular bed of streptozotocin-induced diabetic rats."Res.Commun.Mol.Pathol.Pharmacol.. 104. 181-192 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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