研究概要 |
1)LTB4受容体欠損マウスの作成 マウスロイコトリエンB4受容体(BLT)のゲノムDNAを元に、LTB4受容体欠損マウス作成のためのターゲッティングベクターを作成した。マウスES細胞を形質転換し、ネオマイシン耐性株をサザンブロット、PCR法にて解析し組み替えES細胞を得た。キメラマウスを得る目的で、マウスブラストシストにマイクロインジェクションしたが、キメラ率の低いマウスしか得られなかったため、現在再度マイクロインジェクシションを行っている。 2)変異型LTB4受容体の作製と解析 ヒトLTB4受容体のC末端のリン酸化部位や、細胞内のGタンパク質共役部位と推定されるアミノ酸を欠損した二種類の変異BLT発現ベクターを作成した。これらをCHO細胞に遺伝子導入し、ネオマイシンで選択して耐性株を得た。これらの細胞を用いて、LTB4による細胞内カルシウム上昇における脱感作現象、化学走化性の濃度依存性を測定しているところである。またラット、モルモットからBLTを単離した。(Toda,et al,BBRC,Masuda,et al,Biochem.J.,Bioe,et al,Eur.J.Pharmacol.) 3)ラット急性腎不全モデルにおけるLTB4の寄与の検討 ラット腎動脈結紮・再灌流で引き起こされる急性腎不全モデルにおいて、BLT拮抗薬の事前投与で腎不全の発症が抑えられたこと、BLT発現CHO細胞が腎臓内に遊走したことから、この疾患におけるLTB4の関与を示した。(Noiri,et al.PNAS)
|