研究課題/領域番号 |
11670112
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 昭久 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50155933)
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研究分担者 |
神野 茂樹 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10251224)
岡山 博人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40111950)
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キーワード | 細胞周期 / チェックポイント機構 / 分裂酵母 / G2期 |
研究概要 |
今年度は、Δmik1・wee1-50二重変異株を相補するG2期からM期への進行を抑制する因子として単離されたrdp1遺伝子の解析を進めた。Rdp1遺伝子産物は、分子量24kDで、N末端側に核局在シグナルを持つが、既知のどの蛋白質とも相同性は見いだされなかった。Rdp1の機能を探るため、rdp1遺伝子破壊株(Δrdp1株)を作製した。Δrdp1株は、低温感受性を示した。実際、rdp1遺伝子をこのΔrdp1株に導入すると、低温感受性を回復した。そこで、同調実験を行い、cdc2キナーゼのリン酸化状態を検討した結果、cdc2キナーゼの15位チロシン残基が脱リン酸化されない状態でG2期に停止していることが明らかとなった。更に、興味あることに、Δrdp1株にcdc2キナーゼの15位チロシン残基をフェニルアラニンに置換したcdc2-F15を発現させるとG2/M期の進行はできるようになるが、M期に入るタイミングが早まり致死となった。しかし、cdc25遺伝子を含む他のG2/M期を進める遺伝子を大量発現させてもこの低温感受性を抑圧できなかった。一方、Δrdp1株の低温感受性は、G2期特異的変異株であり低温でUVによってDNAに損傷を受けるとチェックポイント異常を引き起こすcdc2-22株とかけ合わせることにより抑圧された。更に、Δrdp1株変異は、rdad1変異やcdc2-3w変異のチェックポイント異常をかなり回復できた。以上の結果から、rdp1蛋白質はチェックポイントシグナルによるcdc2キナーゼの15位チロシン残基の脱リン酸化の制御に深くかかわっていることが示唆された。
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