研究課題/領域番号 |
11670128
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
矢野 仁康 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (40304555)
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研究分担者 |
井上 雅広 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (00232562)
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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キーワード | NDPK / 分子シャペロン / 14-3-3蛋白質 / 化学修飾 / raf-1 / 蛋白質分解酵素 |
研究概要 |
この一年の我々の研究により、一部の分子シャペロンに共通する機能であるNDPK様活性の、その酵素反応活性中心とメカニズムを明らかにすることが出来たので報告する。我々は、今回この中で14-3-3蛋白質を用いてそのNDPK様活性の詳細な検討を行った。14-3-3蛋白質の化学修飾と点突然変異体導入を用いた解析により、α-ヘリックス3番目に位置する特定のリジン残基が14-3-3蛋白質のNDPK様活性発現に重要であることをつきとめた。同時にこのリジン残基を介して、基質であるヌクレオチド2リン酸から3リン酸への合成が可能な事より、当初の我々の仮説であったシャペロンが有するNDPK様活性が特定の塩基性アミノ酸を介したリン酸基転移反応であることも実証する事ができた。最近このリジン残基が14-3-3蛋白質のリン酸化標的蛋白質へのアクセスに関与することで、14-3-3蛋白質とリガンドとの結合に重要な役割を果たしていることが明らかにされている。これらの報告からも、我々の今回の得られた知見は、14-3-3蛋白質のNDPK様活性が、その機能として種々の標的蛋白質との相互作用に関与している可能性を推定させるものである。さらに最近我々は、真核生物における26Sプロテアソームの触媒ユニットである、20Sプロテアソーム内の特定のサブユニットが、同様のNDPK様活性を有する事を見出しており、今後このNDPK様活性が、タンパク質タンパク質相互作用を含めた分子シャペロン機能にどのようにかかわっているのかを明らかにする予定である。
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