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1999 年度 実績報告書

TGF-βスーパーファミリーのシグナル伝達とその異常

研究課題

研究課題/領域番号 11670136
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

川畑 正博  財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 主任研究員 (60224838)

研究分担者 今村 健志  財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 研究員 (70264421)
キーワードTGF-β / BMP / Smad / Shn / STAT / p300 / E1A / c-Ski
研究概要

(1)新規ショウジョウバエSmadであるdSmad2を同定し、無脊椎動物においてもTGF-β/アクチビン系のシグナル伝達が存在することを明らかにした。また、ショウジョウバエにおいてTGF-βスーパーファミリーのシグナルの下流にShmとMadが、レセプター刺激に応じて結合することを見出した。
(2)BMPの下流にあるSmad1はLIFの下流にあるSTAT3とp300を介して複合体を形成し、強調的に標的遺伝子の発現を誘導することを示した。
(3)Smadは転写因子PEBP2αCと結合した。Immunoglobulin C α プロモーターの転写活性化には両者の協調作用が必要であることを示した。
(4)Smadと転写コアクチベーターであるp300との相互作用について検討し、p300内のSmad結合部位を同定した。E1AがSmadに結合しSmadとp300の相互作用を阻害することを見出し、TGF-βのシグナルを抑制することを示した。
(5)two-hybrid法を用いてSmad2に結合する蛋白としてc-Skiを同定した。Smadはc-Skiを介してhistone deacetylaseであるHDACと複合体を形成し、c-SkiはTGF-βによる転写活性化を抑制した。以上より、Smadはその結合する蛋白に依存して、転写の活性化、抑制の両者の作用を持ち得ることが示された。
(6)BMPのシグナル伝達に関して,分子レベルで解析を行うとともに、アデノウイルスの系を用いて、細胞レベルでの検討を行った。さらに、BMPII型レセプターのノックアウトマウスを作製し、このレセプターが初期発生において重要な役割を果たしていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Akiyoshi S.et al.: "c-Ski acts as a transcriptional co-repressor in TGF-β signaling through interaction with Smads"J.Biol.Chem.. 274・49. 35269-35277 (1999)

  • [文献書誌] Hanai J.-i.et al.: "Interaction and functional cooperation of PEBP2/CBF with Smads : Synergistic induction of the immunoglobulin germline Cα promoter"J.Biol.Chem.. 274・44. 31577-31582 (1999)

  • [文献書誌] Nishihara A.et al.: "E1A inhibits transforming growth factor-β signaling through binding to Smad proteins"J.Biol.Chem.. 274・40. 28716-28723 (1999)

  • [文献書誌] Das P.et al.: "Drosphila dSmad2 and Atr-I transmit activin/TGF-β signals"Genes Cells. 4・2. 123-134 (1999)

  • [文献書誌] Nakashima K.et al.: "Synergistic signaling in fetal brain by STAT3-Smad1 complex bridged by p300"Science. 284・5413. 479-482 (1999)

  • [文献書誌] Yanagisawa J.et al.: "Convergence of transforming growth factor-β and vitamin D signaling pathways on SMAD transcriptional coactivators"Science. 283・5406. 1317-1321 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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