研究概要 |
生物リズム、特に約24時間周期の概日リズムはほとんどすべての生物にみられる基本的生命現象である。最近、我々は数種類の哺乳類時計遺伝子を単離、解析した。本研究は、これら時計遺伝子群を用いて、哺乳類概日系の時計遺伝子から細胞膜に至るリズム生成の情報伝達系及び光による同調機構を分子のレベルで明らかにしようとするものである。 1、培養細胞の血清刺激により、時計蛋白(mPER2,mPER3)の発現に概日リズムがみられることを、特異抗体を用いたWesternブロット法により明らかにした。しかし、TIM蛋白の挙動には、概日リズムがみられなかった。また、NIH3T3細胞を50%血清処理した後、蛋白分解酵素阻害剤を処理することにより、蛋白量(mPER2,mPER3)変移の変化を検討した。さらに、血清処理細胞を10-40%グリセロールで分画した後、SDS-PAGE上で、時計蛋白(mPER2,mPER3)とプロテアソームとの会合を検討した。 2、ヒトhPer3遺伝子を単離し、その中にVNTR(variable number of tendem repeat),SVs(splicing variants),SNPs(single nucleotide polymorphisms)を見いだし、マウスmPer3遺伝子とのゲノム構造上の違いを明らかにした。
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