研究分担者 |
和田 秀穂 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70191830)
山田 治 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (50104790)
八幡 義人 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70069011)
末次 慶收 川崎医科大学, 医学部, 助手 (60309549)
賀来 万由美 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20319940)
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研究概要 |
ヒト赤芽球系における膜蛋白発現調整の解析をそのpromoter領域の5'-CG-3'sitesのmethylationの立場から行った。 赤血球膜蛋白遺伝子であるβ-spectrin,band3(AE1),protein4.2を対象とし、methylationの検出にはbisulfite法を用いた。 (1)基礎的検討として、正常人10例における末梢血単核球由来のDNAについて行った。 β-spectrin遺伝子:17個所の5'-CG-3'sitesはいずれもmethylationはoffの状態であった。 AE1遺伝子:14個所の5'-CG-3'sitesのうち2個所はhypomethylationの状態で、残り12個所ではほぼonの状態と考えられた。 Protein4.2遺伝子:7個所の5'-CG-3'sitesのmethylationはいずれもonの状態と考えられた。 (2)正常ヒト赤芽球の分化成熟とmethylationの状態について、和田らの液体二相赤芽球培養法を用い、継時的に解析した。 赤芽球の割合は、day0で1%、day5で45%、day10で90%、day15で92%の状態で検討を加えた。 β-spectrin遺伝子:末梢血単核球のDNAと同じく、いずれの分化段階においても17個所の5'-CG-3'sitesはoffの状態であった。 AE1遺伝子:いずれの分化段階においても末梢血単核球のDNAと同じmethylationの状態を示し、2個所のhypomethylationと残り12個所はonの状態であった。 Protein4.2遺伝子:7個所の5'-CG-3'sitesのmethylationはいずれの分化段階においてもonの状態と考えられた。 (3)Protein4.2遺伝子異常によるprotein4.2完全欠損症例として、Nippon type(codon 142 mutation,ホモ接合体),P4.2 Shiga(142/317,ニ重ヘテロ接合体),P4.2 Komatsu(codon 175 mutation,ホモ接合体)の3種変異例を選び、AE1遺伝子のmethylationに関して解析を行った。 3種に共通した結果は、4個所のhypomethylation sitesが発見され、そのうち2個所は正常人末梢血単核球DNAにおいて認められた部位であった。
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