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2000 年度 実績報告書

LIMドメイン蛋白及びLdb2の肺発生分化・肺癌発症への関与の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11670158
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

長田 啓隆  愛知県がんセンター, 分子腫瘍学部, 室長 (30204176)

キーワード肺がん / 癌遺伝子
研究概要

我々はLIMドメイン蛋白LIMK2とLIMK2に結合するLdb2を単離し解析を進めた。(1)昨年度の検討に続き、本年度では、LIMK2遺伝子をTet-Off系により発現制御できる正常肺上皮細胞株を用いて、LIMK2遺伝子の機能解析をLIMK2a・2b isoform間で比較しつつ進めた。LIMK2を発現誘導すると、細胞質の拡大・被膜突起形成が見られると共に、強い増殖抑制が見られた。この結果から、LIMK2が細胞増殖制御に深く関与し、LIMK2発現制御異常が癌発症に関与する可能性が示唆された。この作用に於いてisoform間の機能的差異は見られなかった。(2)Ldb2のLIMドメイン蛋白との結合特異性を検討したところ、核内LIMドメイン蛋白に強い特異性を示し、細胞質LIMドメイン蛋白には弱い結合しか示さなかった。Ldb2は核に強い局在を示すことから、核内LIMドメイン蛋白の転写制御を微細に調節している可能性が示唆された。(3)Ldb2及びLdb2の相同遺伝子Ldb1の発現を検討したところ、Ldb2の発現は正常肺組織に比して肺癌組織で低下していた。逆に、Ldb1は、正常肺組織に比して肺癌組織で強い発現が見られ、肺癌発症におけるLdb1とLdb2の機能的差異が示唆された。(4)Ldb2の肺癌発症への関与を検討するため遺伝子変異の有無を検討したが、検討した肺癌細胞株24例には遺伝子異常は検出されなかった。又、Ldb2のalternative splicingによるisoformと考えられる肺癌組織でのみ検出される転写産物の癌発症への関与を検討すべく、肺癌細胞株からcDNAライブラリーを作成して、スクリーニングを進めているが、今のところLdb2 isoform由来と考えられるcDNAは単離されておらず、他の単離方法も検討している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Haruki,N., et al.: "Molecular Analysis of the Mitotic Checkpoint Genes BUB1,BUBR1 and BUB3 in Human Lung Cancers."Cancer Lett.. 162・2. 201-5 (2001)

  • [文献書誌] Yanagisawa, et al.: "Heterogeneities in the biological and biochemical functions of Smad2 and Smad4 mutants naturally occurring in human lung cancers."Oncogene. 19・19. 2305-11 (2000)

  • [文献書誌] Masuda,A., et al.: "Protective function of p27KIP1 against apoptosis in small cell lung cancer cells in unfavorable microenvironments."American Journal of Pathology. 158・1. 87-96 (2000)

  • [文献書誌] Haruki,N., et al.: "Histological type-selective, tumor-predominant expression of a novel CHK1 isoform and infrequent in vivo somatic CHK2 mutation in small cell lung cancer."Cancer Research. 60・17. 4689-92 (2000)

  • [文献書誌] Haruki,N., et al.: "Homo-and heterogeneity within high-grade neuroendocrine tumors of the lung."Japanese Journal of Cance Research. 91・3. 317-23 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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