研究概要 |
1.epマウスを米国ジャクソン研究所に発注。凍結精子からマウスを起こすため、現在マウスの到着を待機中である。 2.Hermansky-Pudlak症候群(HPS)に最も近縁のChediak-Higashi症候群のマウスモデルであるBeigeマウスの肺を光顕的・電顕的に観察した結果、ヒトHPS肺での2型肺胞上皮の泡沫状腫大とほぼ同一の変化を認め、電顕的にも巨大層状小体が確認された。 3.アミオダロンを200mg/kg/day及び400mg/kg/dayにて4週及び8週経口投与したところ、C57BL/6Jマウスでは2型肺胞上皮の泡沫状腫大を認めたが、いずれの場合も腫大は僅かであり、投与量、投与期間期間による大きな差は認められなかった。Beigeマウスにおいては400mg/kg/day投与にて、泡沫状腫大が相加効果として認める印象を得、間質性肺炎への進展の有無を含め、現在追試中である。 4.アミオダロン投与による2型肺胞上皮の形態変化を、肺胞上皮細胞癌培養細胞株(A549)を用いて検討した。アミオダロンを培地中に5-100mg/ml添加したところ、一部の細胞では細胞質内に空胞状物質が増加したが、超微形態学的には層状小体ではなかった。現在、2型肺胞上皮としての分化形質がより明かと思われる細胞株H820を用いて検討を行っている。 5.Mac Vector,Pep-Tool等のソフトを用いてペプチドのhydrophilicity、surface probability,flexibilityや、配列の特異性を検討した結果、HPSタンパク質のカルボキシ末端23アミノ酸残基が抗原部位として適していることが判明した。現在、同ペプチド鎖を合成してウサギに免疫しポリクローナル抗体を作成中である。
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