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2000 年度 実績報告書

ヒトステント後再狭窄における新生内膜増殖メカニズムの分子病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670186
研究機関大阪市立大学

研究代表者

上田 真喜子  大阪市立大学, 医学部, 教授 (10137193)

キーワード冠動脈 / ステント / 新生内膜 / 平滑筋細胞 / 再狭窄
研究概要

急性心筋梗塞や狭心症の原因病変である冠動脈硬化症に対する治療として、これまで経皮的冠動脈形成術(PTCA)が広く行われ、成果をあげてきたが、PTCAの最大の問題点は再狭窄である。近年、このようなPTCA後再狭窄を克服すべく、新しいインターベンション治療として、冠動脈ステント留置術が導入され、わが国でもこのステント施行例が急速に増加している。しかし、最近、冠動脈ステント施行例の増加に伴い、ステント術後の再狭窄が、従来のPTCA後再狭窄よりもさらに治療困難な再狭窄として臨床上の新たな問題となってきている。
我々はこれまで、ヒトステント術後の冠動脈壁を病理学的、および免疫組織化学的に解析し、ステント再狭窄部位では、新生血管の高度増殖、マクロファージの著明な集積、および平滑筋細胞の遊走・増殖で特徴づけられる著明な新生内膜増殖が認められることをはじめて明らかにしている(Circulation.1998;98:224-233.)。この研究成果は、ヒト冠動脈におけるステント後再狭窄メカニズムには、新生内膜の過剰増殖が関与することをはじめて明らかにしたものである。
本研究はヒト冠動脈の新生内膜増殖メカニズムを明らかにすべく、マクロファージ、平滑筋細胞、血小板などの細胞成分と血管作動性物質のup-regulationの関与を解析しようとするものである。我々は本研究において、ヒトステント後の新生内膜増殖過程では、マクロファージの集積に加えて、P-セレクチンの発現による血小板の活性化やP-セレクチンー好中球連関に基づく好中球の集積、さらには新生内膜の平滑筋細胞のエンドセリン発現などが関与することをはじめて明らかにしている。(Circularion 102:II-733.2000)

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Komatsu R,Ueda M et al: "Role of P-selectic-dependent Adhesion in Neutrophil-Platelet Interactions in the Neointima after Stenting in Human Coronary Arteries"Circulation. 102. 11-733 (2000)

  • [文献書誌] 小松龍士,上田真喜子 他: "ヒト冠動脈インターベンション後における血小板glycoprotein(GP)IIb/IIIaとP-selectinの発現"動脈硬化. Vol28(Suppl). 147 (2000)

  • [文献書誌] 小松龍士,上田真喜子 他: "冠動脈ステント後の新生内膜形成機序と再狭窄機序"Is chemic Heart Disease frontier. Vol1. 93-97 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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