研究課題/領域番号 |
11670195
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
山本 智子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10239634)
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研究分担者 |
小林 槇雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80060086)
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キーワード | 福山型先天性筋ジストロフィー / アストロサイト / advanced glycation endproducts / 4-hydroxynonenala / 8-hydroxy deoxyguanosine / CuZnsuperoxide disumtase / Mn superoxide dismutase |
研究概要 |
2例の胎児及び6例の年長児FCMD剖検例の大脳及び延髄のホルマリン固定、パラフィン包埋材料に関して免疫組織化学的検索を行った。3例の胎児例を含む9例の非FCMD症例をコントロールとして用いた。胎児例ではFCMD症例と非FCMD症例の間に明らかな差異は認められなかったが、年長児例では相違点が認められた。アストロサイトを含むグリア細胞では、酸化最終産物である4-hydroxynonenal(4-HNE)、8-hydroxy deoxyguanosine(8-OHdG)に関しては大きな差異は認められなかったが、同じく酸化最終産物であるadvanced glycation endproduct(AGE)や活性酸素の修復酵素であるCuZn superoxide dismutase(SOD)、MnSODがFCMD症例の大脳でより強く染色される傾向が認められた。FCMD脳病変の原因としてglia limitansの断裂が考えれられており、我々のこれまでの検討ではpial-glial barrierの形成に関与しているアストロサイトの未熟性を示唆する形態の変化等が観察されている。今回の結果からはFCMDのアストロサイトが酸化ストレスを受けやすくなっており、それに対してSODが増加している可能性が考えられ、FCMD脳病変の原因の主座がアストロサイトである可能性を支持する所見と思われる。神経細胞においてはFCMD症例の延髄であるAGE、4-HNE陽性細胞が少ない傾向を示し、神経細胞のグリア細胞とは異なった細胞内環境を示していると思われた。
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