研究概要 |
1.LCLを対象としたxanthine/xanthine oxidase反応による活性酸素産生系でのapoptosis誘導系において、各種サイトカインの影響を検討したところ、interleukin(IL)-6での前処理により、apoptosisが抑制されることが明らかとなった。次にIL-6存在下と非存在下で上記活性酸素処理を反復したところ、軟寒天上でコロニー形成能を有する細胞の出現を見た。これらの亜株は親株に比べ明らかに増殖能が強くなっていた(manuscript in preparation)。こうした研究を遂行する中、培養液を交換せずに活性酸素処理をするとapoptosisの誘導が悪いことを見いだした。原因を検討した結果、細胞の代謝産物であるピルビン酸が活性酸素のscavengerとして作用することを明らかにした(Miwa,H.,et al., Free Radic. Res. in press)。 2.上記LCLの亜株について、現在染色体異常の検索と、軟寒天上での細胞のcloningを行っている。 3.甲状腺リンパ腫症例については、現在まで約30例の収集を終え、その病理組織学的、免疫組織化学的な検討をほぼ終了した。全例B細胞リンパ腫であり、組織学的なvariationは、今までの報告にほぼ一致するものであった。これらの材料について現在microsatellite instabillity(MSI)の検討が進行中である。MSIのassay系を確立するにあたり、同様の節外性リンパ腫である鼻腔リンパ腫の検体を用いてassay系を組んだところ、non-RIで感度の比較的良い系が出来、鼻腔リンパ腫についてはMSI陰性であった。(Takakuwa,T., et al.,Int. J. Cancer,1999)。
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