研究概要 |
I)ヒトBMP-5,6遺伝子の5'側上流領域に結合する転写調節因子を明らかにする。 ヒトBMP-5遺伝子の5'側上流領域-500〜-750に存在するHox遺伝子、En遺伝子反応領域と推定されるDNA配列AAAGGCATTA,TGATAG,ATTTCCATTA,TCAATTAAACTを合成し32Pで標識した後、核抽出蛋白と試験管内で混和し、Gelshift Assayを行った。結合蛋白に関しては、AntennapediaクラスのHox蛋白が想定されるが、特異抗体を用いたsupershiftを用いて確認する予定である。 同様にBMP-6遺伝子5'側上流領域(-50〜-150)のDNA塩基配列 GCGCCGCGACTCGCAGGAGCCAGGGCG(下線部分がtramtrack結合配列と推定される)を用いて、epigeneticalな遺伝子発現制御機構の有無について検討し、BMP-6遺伝子発現の亢進した細胞ではCpGメチル化が存在せず、BMP-6のalternative splicingが存在し、かつ発現の低下した細胞ではSp1結合部位を中心としてCpGメチル化が存在していた。病理検体を用いた検討でも、浸潤・転移の見られた前立腺癌ではBMP-6遺伝子発現の亢進とCpGメチル化の消失とが観察された。 II)BMP-2,-3,-8の5'上流のクローニング解析。 申請者等がBMP-5およびBMP-6遺伝子5'側上流領域解析に用いたヒトGenomicDNA Libraryを利用し、BMP-2,-3,-8遺伝子5'側上流領域をクローニングした。現在、プライマー伸長法による転写開始部位の同定、Reporter遺伝子Luciferaseと結合させたPlasmid Constructをリポフェクション法にて培養細胞に短期導入し、プロモータ活性の測定を行っている。
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