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1999 年度 実績報告書

急性炎症での細胞浸潤と血管透過を制御するサイトカインネットワークに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670220
研究機関熊本大学

研究代表者

大河原 進  熊本大学, 医学部, 講師 (10094088)

キーワードサイトカイン / ケモカイン / MCP-1 / GRO / 関節炎モデル
研究概要

遺伝子組換体を作成していたMCP-1(rrMCP-1)については、特異抗体を作成し、ELISA系を確立した。この測定系により、LPS誘導関節炎でのMCP-1の産生動態をみると、起炎後4時間目にピークを持つ単峰性の産生が見られた。この産生は抗TNFα抗体で57%が、IL-1Raで41%が抑制され、両者の同時投与で90%が抑制された。抗IL-8抗体では抑制は見られなかった。これらの結果から、LPS炎症でのMCP-1の産生は主にTNFαとIL-1により制御されていることが明らかとなった。このMCP-1の産生細胞は滑膜細胞であった。更に、rrMCP-1をウサギの膝関節に注射すると、24時間目にピークを有する単峰性の炎症細胞(ほとんどが単核球)の浸潤を起こすことが出来た。この時の他のサイトカインについて検討すると、IL-1Raのみが18時間目前後をピークとする産生が見られたが、TNFα、IL-1β、IL-8はいずれの時間帯でも検出されず、また、軟骨破壊も認めなかった。これらの結果はMCP-1による単核球の浸潤は急性炎症の増幅系には働かず、IL-1raを介して抑制に働いている可能性を示しており、その役割については検討中である。GROについても、遺伝子組換体(rrGRO)及び特異抗体の作成、ELISA系の確立を完了した。この測定系によりLPS誘導関節炎でのGROの産生動態をみると、2時間目に主なピークがあり、9時間目に小ピークが見られる。IL-1Raにより、2時間目と9時間目の産生はそれぞれ39%、67%が抑制され、GROの産生は主にIL-1により制御されていることが明らかになった。このrrGROを関節内に投与すると6時間目と12時間目にピークを有する炎症細胞(ほとんどが好中球)浸潤を起こすことができた。今後、他のサイトカインとの関連について検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Jun-Song Mo,Akihiro Matsukawa,Susumu Ohkawara,Masaru Yoshinaga: "Role and regulation of IL-8 and MCP-1 in in LPS-induced Uveitis in rabbits"Experimental Eye Research. 68. 333-340 (1999)

  • [文献書誌] Matsukawa A.Yoshimura T.Fujiwara K.Maeda T.Ohkawara S.Yoshinaga M.: "Involvement of growth-related protein in lipopolysaccharide-induced rabbit arthritis:cooperation between growth-related protein and IL-8,and interrelated regulation among TNFalpha,IL-1,IL-1 receptor antagonist,IL-8,and growth-related protein."Laboratory Investigation. 79. 591-600 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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