研究概要 |
平成12年度は下記の2つの点について検討し以下の結果を得た。 1.MN/CA9遺伝子プロモーター領域の同定 ヒトゲノムDNAコスミドライブラリーよりMN/CA9遺伝子5'領域(-1246/+42bp)を吊り上げ、ルシフェラーゼリポータープラスミドに導入し、サブクローニングを行った。Exo/Mung beans法を用いて、4種の欠失変異体(-416/+42bp,-244/+42bp,-158/+42bp,-58/+42bp)を作製し、MN/CA9遺伝子発現陽性のヒト腎細胞癌培養細胞株(SKRC-44)にリポフェクション法を用いて遺伝子導入した。各変異体のルシフェラーゼアッセイの結果、-416/+42bp,-244/+42bp,-158/+42bpの変異体には活性を認めたが、-58/+42bpの変異体には活性を認めなかった。このことより、最小プロモーター領域の5'端は-158bpと-58bpの間にあることを確認した。 2.MN/CA9遺伝子プロモーター領域メチル化のプロモーター活性に与える影響 プロモーター活性を有する上記欠失変異体の一つ(-158/+42bp)を用い、プロモータ上の6つのCpGすべてをCpGメチラーゼ(SssI)でメチル化した場合と-74bpの部位のCpGだけをCpGメチラーゼ(HhaI)でメチル化した場合のルシフェラーゼ活性をSKRC-44細胞に遺伝子導入して調べた。いずれの場合においてもコントロールに比べてプロモーター活性は強く抑制された。
|