研究課題/領域番号 |
11670229
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
比舎 弘子 関西医科大学, 医学部, 講師 (90151422)
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研究分担者 |
杉浦 喜久弥 関西医科大学, 医学部, 講師 (30171143)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70115947)
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キーワード | 骨髄移植 / 骨髄ストローマ細胞 / 胸腺ストローマ細胞 / 多能性造血幹細胞 / positive selection / 門脈内投与 |
研究概要 |
アロ骨髄移植(BMT)では、骨髄ストローマ細胞(BMSC)同時移植により、移植成績が向上する。 その機序を詳しく解析し、以下の知見を得た。 1.[T,G]-A--L あるいは PCC(T cell-dependent antigen)を用いて、その高反応性マウス→低反応性マウスのBMT(骨同時移植)を行った。移植骨由来のBMSCの生着が、宿主マウスの骨髄及び胸腺に認められた(FACSおよび共焦点レーザー顕微鏡を使用して解析)。また、宿主のT cellは、ドナータイプへの拘束性(T cell proliferation assayとPFC assayにて測定)を獲得していた。胸腺ストローマ細胞のドナータイプへの置換率と、T cell のドナータイプへの拘束性との間に正の相関関係が認められたことから、ドナーBMSCは胸腺へ移住し、positive selectionに関与していると推察できる。 2.ドナー骨髄細胞(BMSCも含有)を門脈経路で移入するとトレランスが誘導されやすいが、この系でのBMSC同時移植の重要性を検討した。骨髄細胞を造血幹細胞(HSC)とBMSCとに分けると、両者を混合し門脈経路で移入した場合のみ肝内に造血コロニーが認められ、脾での造血コロニー形成も向上した。BMSCが宿主の肝内にまず生着し、そこでHSCが増殖分化し脾へも移住したと考えられる。 3.HSCと造血支持細胞との間にMHC拘束性が存在することを当研究室で見出し報告してきたが、この拘束性を規定している細胞表面分子を同定するため、造血支持細胞特異的モノクローナル抗体を作成し、その中から、MHCの一致したHSCと造血支持細胞との接着を阻害する抗体(すなわちMHC class I 結合性分子と反応する抗体)を選別した。さらにその抗体が認識する分子を造血支持細胞株の可溶性画分より単離し、分子量14〜15万のタンパクであることを見出した。
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