研究課題/領域番号 |
11670237
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
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研究分担者 |
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
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キーワード | 広東住血線虫 / CD4^+T細胞 / T blot / SAS-PAGE / BALB / c / 病態 / X線 / magnetic microbeads |
研究概要 |
マウスの広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis)感染における感受性や病態の変化には系統差がある。感受性で病態悪化の著しいBALB/cマウスのCD4^+T細胞が、感染後13-20日の病態発現を誘導する時期に如何なる抗原分子を認識するかを明らかにするため、BALB/cマウスの脾細胞からCD4^+T細胞を分離し、広東住血線虫幼若成虫抗原の各分子量蛋白質抗原に対する増殖活性をT cell blotにより調べた。 CD4^+T細胞は、magnetic microbeads結合抗CD4抗体を用いて分離した。抗原提示細胞は、正常BALB/cマウス脾細胞に3000 radのX線を照射して調製した。SDS-PAGEにより分離した24日齢の幼若成虫抽出抗原をニトロセルロース膜に転写した。ニトロセルロースに転写された抗原バンドを、各分子量ごとに切断してT cell blot法における抗原(SDS-PAGE fraction)とした。分離したCD4^+T細胞と抗原提示細胞を、予め15000 radのX線で照射し滅菌したSDS-PAGE fractionを含む96穴プレートに添加し、114時間、37℃で培養し、[^3H] ThymidineのDNAへの取り込みを調べた。5回実験を行った結果から、BALB/cマウスの病態発現が惹起される時期にあたるCD4^+T細胞が高い増殖活性を示す抗原は、56kDa、48kDa、40kDa、31kDa、そして31-22kDaの分子量を持つ蛋白であることが示された。今後、この抗原の中で、病態発現に関与する抗原は果たしてあるのか、その抗原分子は如何なるサイトカインを産生するのか、抵抗性であるC57BL/6マウスのCD4^+T細胞にこの抗原分子は如何なる応答を示すのか、さらにその抗原分子の分子生物学的特徴は何かを検討する予定である。この抗原分子を認識するCD4^+T細胞が如何なる機構で病態発現を誘導するのかを検討する予定である。
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