研究課題/領域番号 |
11670249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田邊 將信 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80051928)
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研究分担者 |
大倉 多美子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20051740)
山田 健人 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (60230463)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | マンソン住血吸虫 / 虫卵性肉芽腫 / 痙攣誘発因子 / モノクロナル抗体 / リポ蛋白 / アポ蛋白 |
研究概要 |
(1)痙攣誘発活性を持つリポ蛋白が住血吸虫感染マウスのみならず、感染していない通常の飼育環境で飼育されたマウス、SPF飼育された各種近交系マウス、重度免疫不全マウス、さらにはラットやウサギといった動物の各種臓器(肺、リンパ節、脾臓、大腸、小腸)、ヒトの肺、脾臓、大腸組織にも存在することが明らかとなった。これらの痙攣誘発物質は、(1)全く同じ方法で精製が可能、(2)マウスやラットに投与すると同じ症状をもたらす、(3)同じ機構を介してマウスに作用する、(4)よく似た物理化学的性状を示すことから、痙攣誘発因子が種を越えて動物組織に広く分布する物質であることが推定された。(2)痙攣誘発因子免疫ウサギ及びマウス血清は住血吸虫感染マウス由来の痙攣誘発因子の活性を抑制でき、さらには感染していないヒト及び各種動物から精製した痙攣誘発因子の活性をも抑制しうることから、これらの痙攣誘発因子には共通のエピトープをもった分子が存在し、この分子が痙攣誘発に直接関わっていることが示唆された。(3)各種動物から精製した痙攣誘発因子の構成アポ蛋白には痙攣誘発因子免疫ウサギ血清によって検出される共通のペプチド分子(分子量61KDaで等電点が7.7〜8.0のペプチド、分子量60KDaで等電点が8.0〜8.2のペプチド)が存在することが二次元電気泳動を用いたWBで明らかとなった。(4)痙攣誘発因子を免疫したマウスから29種類のモノクロナル抗体(MoAb)が樹立された。これらのMoAbは抗原(痙攣誘発因子、虫卵抗原、成虫抗原)に対する反応性に違いがみられたが、いずれも痙攣誘発因子の痙攣誘発活性を中和することはできなかった。 以上の成績から、痙攣誘発因子が各種動物の様々な組織に広く分布する物質であること、そしてこれらの痙攣誘発因子には共通のアポ蛋白が存在し、このアポ蛋白がマウスに痙攣を誘発している可能性が推定された。
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