研究課題/領域番号 |
11670260
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90275024)
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研究分担者 |
吉田 篤司 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10242778)
内嶋 雅人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20252174)
小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30126809)
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キーワード | DNAワクチン / 遅延型細胞性免疫 / リステリア / 不変鎖分子 / MHCクラスII結合ペプチド / T細胞エピトープ |
研究概要 |
本研究では、細胞内寄生細菌のモデルとしてリステリア(Listeria monocytogenes)に対して効率よく遅延型細胞性免疫、すなわち特異的ヘルパーT細胞(Th)を誘導できるDNAワクチンの開発を行った。その目的のため、DNAワクチンプラスミドを導入された細胞内で、効率よくリステリア特異的T細胞にリステリア抗原(ヘルバーT細胞エピトープ)が抗原提示されるような以下のような組換え不変鎖分子型プラスミドを構築した。不変鎖分子は、生体内で分子シャペロンとしてMHCクラスII分子をエンドゾーム/リソゾーム系に移行させるとともに抗原ペプチドを確実にMHCクラスII分子上に会合させる役割を果たしている。この分子に着目し、その分子内のMHCクラスII分子結合部位(CLIPと呼ばれる領域)とリステリア由来のMHCクラスII結合ペプチドを置換させた変異不変鎖分子発現プラスミドを作製しDNAワクチンとして使用した。リステリアのMHCクラスII分子結合ペプチド(T細胞エピトープ)としてはLL0215-226及びp60301-312を用いた。この変異不変鎖分子は、DNAワクチンプラスミドが導入された抗原提示細胞内でMHCクラスII分子と会合したままエンドゾーム/リソゾーム系に移行し、そこで効率的に抗原提示が行われることが期待された。これをマウスに遺伝子銃を用いて1週毎に3回ないし4回導入した後、T細胞増殖実験、サイトカインELISAにて特異的T細胞の誘導を検討した。その結果、上記組換え不変鎖分子の発現プラスミドで免疫したマウス脾細胞ではT細胞増殖実験における[3H]の取り込みが亢進していた。またサイトカインELISAで免疫マウス由来脾細胞にて特異的IFN-γ産生が有意に増加していることが確認された。すなわち組換え不変鎖分子を用いたDNAワクチンによって特異的Th細胞のみを誘導できることが確認された。
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