研究課題/領域番号 |
11670261
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 美智男 名古屋大学, 医学部, 教授 (20111841)
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研究分担者 |
山篠 貴史 名古屋大学, 医学部, 助手 (00314005)
長谷川 忠男 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10314014)
堀井 俊伸 名古屋大学, 医学部, 助手 (80283430)
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キーワード | A群レンサ球菌 / TSLS / SpeF / ARDS / 二次元電気泳動法 / プロテオーム解析 / 菌体外分泌蛋白質 / DNAデータベース |
研究概要 |
a.わが国の劇症型A群レンサ球菌感染症(TSLS)患者由来の菌株より、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)を起こす毒素、SpeFを見いだした。この毒素はスーパー抗原活性を持つとともに、血管透過性を亢進する。 b.SpeFはTSLS患者由来株では活性型が産生されていた。通常の咽頭由来株の多くでは抗原性は持つが血管透過性活性を持たないSpeFであった。以上の結果は論文1に発表した。 c.TSLS患者由来株の菌体外全分泌蛋白を抽出し、2次元電気泳動によって解析した(プロテオーム解析)。主要なスポットについてN末端アミノ酸配列を決定し、現在米国で進行中のA群レンサ球菌ゲノムプロジェクトDNAデータベースから蛋白を同定しつつある。その結果数種の未知の分泌蛋白が見いだされた。また、M1,M3型の株では特徴的な2次元パターンをとる株が多く見いだされた。この結果は日本細菌学会第73回総会(平成12年6月、札幌市)にて発表予定である。 d.最近のTSLS症例から分離された株と過去のTSLS患者から分離された株の菌体外分泌蛋白の2次元パターンを比較しつつある。興味深いことには全く同一のパターンを示す株が異なった地域、時間を経過して見いだされた。さらに多種の株について解析中である。 e.現在、SpeFの精製、speF遺伝子の塩基配列を各種株にて決定、SpeFの産生を臨床分離された菌株について定量すること、のそれぞれを進行中である。
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