• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

コレラ菌の溶血性を調節する遺伝子群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11670269
研究機関岡山県立大学

研究代表者

山本 耕一郎  岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (30158274)

研究分担者 有田 美知子  岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (10127178)
キーワードフォスフォリパーゼ / コレラ菌 / 毒素 / 遺伝子 / 染色体 / lypA / hlyU / toxR
研究概要

hlyAの正の制御遺伝子hlyUの遺伝子内部をスーサイドベクターにクローン化したものを用いコレラ菌に導入し、single crossoverによりhlyUを破壊した変異株を分離したが、ごく一部の株では溶血性が若干低下がみられたが、大多数の株では溶血性の低下は見られなかった.このことから、hlyUが正の制御遺伝子であるということはすべての溶血株で見られる現象ではなく、hlyU以外にも別の制御遺伝子ある可能性が示唆された。
一方,新たに溶血素産生を制御する未知の遺伝子を検索すべく全DNAの約600bp断片をスーサイドベクターにクローン化し,コレラ菌N86株に導入し,挿入変異株約3000コロニーについて溶血性を調べたところ,血液寒天平板上で溶血性が低下したIM1株,IM2株の2株の変異株を得た.このうちIM1は血液寒天平板培地で完全に溶血性が失われていたがIM2は溶血性の低下は見られたが,完全には失われていなかった.挿入部位の塩基配列をTIGRのコレラ菌ゲノムデータベース検索したところ,プラスミドはヘモリジン構造遺伝子の上流約2kbに存在する大腸菌の多剤耐性遺伝子と相同性を有するemrDの遺伝子内部およびその上流に存在する意義不明のOpen Reading Frameに挿入されていた.また,IM1,IM2のmRNAレベルでの発現を調べたところ,IM1では発現が見られたもののIM2では発現は全く見られなかった.これらのことから,emrDもしくはその上流に存在するORFが溶血性に関与することが強く示唆された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yamaichi,Y.,Iida,T.,Park,K-S,Yamamoto,K.,Honda,T.: "Physical and genetic map of the genome of Vibrio parahaemolyticus : presence of two chromosomes in Vibrio species."Mol.Microbiol.. 31:. 1513-1521 (1999)

  • [文献書誌] Kojima,S.,Yamamoto,K.,Kawagishi,I.,Honma,M.: "The polar flagellar of Vibrio cholerae is driven by an Na+ motive force."J.Bacteriol.. 181. 1927-1930 (1999)

  • [文献書誌] Taniguchi,T.,Yasuda,Y.,Tochikubo,K.,Yamamoto,K.,Honda,T.: "The gene encoding the prepilin peptidase involved in biosynthesis of pilus colonization factor antigen III (CFA/II) of human enterotoxigenic Escherichia coli."Microbiol.Immunol.. 43. 853-861 (1999)

  • [文献書誌] Makino,K et al.:: "Complete nucleotide sequence of the prophage VT2-Sakai carrying the verotoxin 2 genes of the enterohemorrhagic Escherichia coli O157:H7 derived from the Sakai outbreak."Genes Genet.Syst.. 74. 227-239 (1999)

  • [文献書誌] Park,K-S et al.: "Genetic characterization of DNA region containing the trh and ure genes of Vibrio parahaemolyticus."Infect.Immun.. 68. 5742-5748 (2000)

  • [文献書誌] 山本耕一郎: "基礎食品衛生学(細菌性食中毒,アレルギー性食中毒)"朝倉書店,(印刷中). (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi