緑茶抽出エキスおよびその主要カテキン成分が、細胞内侵入性細菌の一つであるS.enteritidisに対しても抗菌・殺菌作用を示すことから、まずMIC未満(12.5〜50μg/ml)のカテキンで一定時間処理した菌をTHP-1(ヒト単球細胞株)およびマウス腹控マクロファージにin vitroで感染させ、その後の細胞内生菌数の変化を経時的に無処置対照群と比較検討したところ、THP-1では細胞内への菌の侵入および増殖に差が見られなかった。しかしマウス腹腔マクロファージでは紬胞内での菌の増殖が抑制された。 次に、カテキン(25〜50μg/μml)で一定時間前処置した細胞に菌を感染させたところ、THP-1の場合対照群に比し明らかな食菌能の亢進が認められたものの細胞内での菌増殖は抑制できなかった。またマウス腹腔マクロファージでは、対照群に比べ食菌能に差は見られなかったが細胞内での菌の増殖を抑制した。そこでこのTHP-1の系にIFN-γ(5ng/ml)を添加し、実験を行った。その結果、食菌能はカテキン単独群に比べ低いが、その後の細胞内における菌の増殖を抑制した。マウス腹腔マクロファージの系では、現在検討中である。 さらにカテキン投与マウス(P-100 500μg/マウス×3ip)から採取した腹腔マクロファージに菌を感染させたところ、食菌能および殺菌能の亢進が認められた。 以上の結果、カテキンは直接・間接的な生体賦活作用によりマクロファージの活性化を誘導するものと考えられるが、さらに検討が必要である。
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