CM2又はP42のORFを含むcDNAをpGH19プラスミドのT7プロモーターの下流に組み込み、Capアナログ存在下に試験管内転写を行ない、得られたmRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入した。ND96緩衝液中に18℃で48時間インキュベーションした後、全細胞電流を2本のガラス電極を用いた膜電位固定法により測定することにより、CM2蛋白のイオンチャネル活性の検出を試み、以下の成績を得た。 1)CM2発現細胞に過分極電位パルスをかけると、時間と共に増大する内向き電流が生じた。この膜電流は、-60から-110mVまでの過分極では徐々に、-120〜-130mVで急激に増大し、CM2の発現に伴って電位依存性のイオンチャネル活性が誘導されることが明らかになった。 2)細胞外溶液のpHを8.5から6.5に下げると、チャネル活性は軽度に増強した。またCM2発現細胞にみられる膜電流の逆転電位は、細胞外溶液の[Na^+]や[K^+]の影響を受けないが、[Cl^-]の変化に呼応して値を変えた。 3)ところが水を注入した対照卵母細胞に-190〜-200mVという大きな過分極電位パルスをかけると、CM2発現細胞にみられたものと同じ性状(電位依存性、pHの影響、Cl^-選択性)をもつ膜電流が検出された。 以上の成績から、CM2の発現によって、卵母細胞に内在するCl^-チャネルの活性が誘発される可能性が示唆された。
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