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1999 年度 実績報告書

ヘマグルチニンの糖鎖認識の多様性とインフルエンザウイルスの宿主間伝播機構

研究課題

研究課題/領域番号 11670301
研究機関静岡県立大学

研究代表者

鈴木 隆  静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (20240947)

研究分担者 鈴木 康夫  静岡県立大学, 薬学部, 教授 (00046278)
キーワードインフルエンザウイルス / N-アセチルノイラミン酸 / N-グリコリルノイラミン酸 / ヘマグルチニン / シアル酸
研究概要

ヒトH3型インフルエンザウイルスとブタおよびウマH3型インフルエンザウイルスのHAの塩基配列の比較から、A/Memphis/1/71(H3型)株のヘマグルチニン(HA)のアミノ酸残基の中で、特に受容体結合ポケット近傍の144、145および193番目のアミノ酸残基が、N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)とN-グリコリルノイラミン酸がガラクトース(Gal)にα2-3結合した糖鎖(Neu5Ac α2-3GalとNeu5Gc α2-3Gal)の認識に重要であることが示唆されている。そこで、本年度はさらにシアル酸の分子種(N-アセチルノイラミン酸とN-グリコリルノイラミン酸)だけでなく結合様式(α2-3結合とα2-6)も異なる新たに化学合成された4種類の糖脂質を用いてヒトH3型インフルエンザウイルスの結合性を比較した結果、A/Memphis/1/71(H3N2)株を除く多くの株が、N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)だけでなくN-グリコリルノイラミン酸がガラクトース(Gal)にα2-6結合した糖鎖にも結合性を有することを見出した。さらにHAの塩基配列から推定されるアミノ酸配列を比較した結果、受容体結合ポケット近傍の143、144および158番目のアミノ酸残基がこれら糖鎖の認識に重要であることが見出された(FEBS Letter,464,71-74,1999)。この結果に基づいて、これらアミノ酸を点変異させたHAのcDNAを部位特異的突然変異法を用いて作製し、CV-1細胞上でインフルエンザウイルスのヘマグルチニンを単独発現させた。今後、この発現系を用いてHAの結合特異性を解析する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Masuda,T.Suzuki et al: "Substitution of amino acid residue in influenza A virus hemagglutinin affects recognition of sialyl-oligosaccharides containing N-glycolylneuraminic acid"FEBS Lett.. 464. 71-74 (1999)

  • [文献書誌] D.Kobasa,T.Suzuki,Y.Kawaoka et al.: "Amino acid residures contributing to the substrate specificity of the influenza A virus neuraminidase"J.Virol.. 73(8). 6743-6751 (1999)

  • [文献書誌] C.-T.Guo,T.Suzuki et al: "Gangliosides GM1a on the cell surface is involved in the infection by human rotavirus KUN and MO strains"J.Biochem.. 126. 683-688 (1999)

  • [文献書誌] K.Hayashi,T.Suzuki at al: "Inactivation of human type A and B influenza viruses by tea-seed saponins"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 64. 184-186 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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