研究概要 |
BC-3(HHV-8持続感染細胞)をTPA処理した上清をウイルス液として各種細胞株に感染させ、HHV-8特異的抗原に対する単クローン抗体(潜伏抗原、前初期抗原、初期抗原及び後期抗原に反応するもの)を用いてそれらの抗原発現を指標にウイルスの感染能を調べた。細胞株として、MT4,P3X63Ag8.653,Sp2/0-Ag14,HL-60,U937,THP-1,Molt3,Molt4,HSB2,Ramos,H9,TaY,LCL-TAS,B95-8,Raji,K562,D-2A,SHM-D33,HPB-ALL,HUT78,MDCK,U373MG,Hep2,B95a,HEL,CV-1,A549,Vero,293,293T,Balb/3T3,L929,104,NBL-7,P3U1,PAI,MRC-5SV1TG1,VSMC,BHK-21,COS-1の40種を調べたが、如何なる抗原発現も検出できなかった。最近、血管内皮細胞での増殖が報告されたので、その細胞を解析に利用する予定である。そのため、血管内皮細胞の樹立を試みている。さらに、高力価のウイルスを産生する他のHHV-8持続感染細胞を取り寄せて用いる予定である。これらを用いてウイルス中和活性を測定し、ORFK8.1蛋白のウイルス感染における役割を解析する。 ORFK8.1遺伝子をCV-1細胞にトランスフェクトしてその安定発現細胞を樹立した。この細胞をtargetにして、患者血清、抗K8.1単クローン抗体のADCC能を調べている。その結果、患者血清を用いると、弱いながらもADCC活性が見られた。このtarget細胞をNK細胞抵抗性にするためORFK5遺伝子をトランスフェクトしてその安定発現細胞を樹立する予定である。
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