• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

ヒト免疫不全ウイルス粒子の試験管内成熟

研究課題

研究課題/領域番号 11670309
研究機関(社)北里研究所

研究代表者

森川 裕子  社団法人 北里研究所, 基礎研究所, 室長 (20191017)

研究分担者 櫻木 小百合  社団法人 北里研究所, 基礎研究所, 研究員 (90312214)
キーワードHIV / 成熟 / プロセシング / 試験管内 / 粒子 / 感染性
研究概要

試験管内でのヒト免疫不全ウイルス(HIV)粒子の成熟を試みる目的で、未成熟型HIV粒子(未切断のGag蛋白コアをもつ)に精製HIVプロテアーゼを添加し、Gag蛋白をprocessingさせながら成熟型の粒子形態に変換する実験条件を検討した。1)塩濃度とpHを検討したところ、酸性かつ低塩濃度ではGag蛋白は完全切断されたが、高塩濃度ではその切断速度が遅延し、中性〜塩基性ではほとんど切断されなかった。いずれの条件でも、MA/CA部位が最初に切断され、切断順序は変化しなかった。従って、酸性かつ低塩濃度を至適と決定した。2)エンベロープ蛋白を粒子に保持させたまま脂質二重膜を除去する条件を見いだす目的で、低濃度の界面活性剤・超音波処理などを検討したところ、0.1%DigitoninあるいはTritonX-100処理では、エンベロープ蛋白を損失することなくコアのGag蛋白切断が可能であることが判明した。3)これらの粒子を蔗糖密度勾配遠心及び電顕で観察したところ、いずれの場合も、outer shell(MA蛋白からなる)と濃縮したコア(NC蛋白とRNAの複合体)形成が認められたが、CA蛋白からなるcapsidは不安定であり、その構造はすみやかに消失した。4)しかしながら、Pol蛋白領域の切断産物である逆転写酵素はこのprocessing粒子から解離せず保持された。
HIVのpreintegration complexはCA蛋白を含んでいないことから、本実験で得られたcapsid欠損のprocessing粒子でも感染性を有する可能性が考えられる。そこで次年度は、この試験管内processing粒子の感染性、すなわち、逆転写酵素とIntegration活性について検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Morikawa,D.Hockley,M.Nermut and I.Jones: "Roles of matrix, p2 and N-terminal myristoylation in human immunodeficiency virus type 1 Gag asembly"J.Virol.. 74. 16-23 (2000)

  • [文献書誌] Y.Morikawa,T.Goto and K.Sano: "In vitro assembly of human immunodeficiency virus type 1 Gag protein"J.Biol.Chem.. 274. 27997-28002 (1999)

  • [文献書誌] S.Harada,E.Haneda,T.Maekawa,Y.Morikawa,S.Funayama and K.Ohtsuki: "Casein kinase II(CK-II)-mediated stimulation of HIV-1 reverse transcriptase activity and characterization of selective inhibitors in vitro"Biol.Pharm.Bull.. 22. 1122-1126 (1999)

  • [文献書誌] 森川裕子、櫻木小百合: "HIV粒子アッセンブリ-"医学のあゆみ. 189. 997-1001 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi