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2000 年度 実績報告書

SSI-1ノックアウトマウスを用いたサイトカインシグナル伝達におけるnegative feedback機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11670320
研究機関大阪大学

研究代表者

仲 哲治  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303936)

キーワードサイトカイン / JAK / STAT / SSI / SOCS / CIS / アポトーシス / TNF-α
研究概要

サイトカインは、その主要なシグナル伝達経路であるJAK-STATシグナル伝達経路を介して、分化、増殖、アポトーシスなどの細胞のホメオスタシスの維持に重要な役割をはたす。SSI-1(別名SOCS-1)はJAK-STATシグナル伝達経路のnegative feedback因子である。SSI-1ノックアウトマウス(KO mice)は、胸腺、脾臓などの臓器において、リンパ球のアポトーシスの増加を伴い生後約2週間で死亡した。このリンパ球のアポトーシスの原因を解明するため、TNF-αのシグナル伝達とSSI-1に焦点を当てて以下の実験を行い、結果を得た。すなわち、SSI-1 KO miceのfetal fibroblastをTNF-αで刺激し、その感受性を調べた所、KO miceでTNF-αに対する感受性の亢進が認められた。逆にSSI-1を安定発現させたマウス線維芽細胞株では、TNF-a刺激によるアポトーシスの誘導が低下していた。この作用はSSI-1のファミリー遺伝子であるSSI-3,SSI-5においては認められなかった。次にその機序を明らかにするために、TNF-αシグナルの下流で作用するcasepase-3,8,NF-kB,p38MAPK,JAK-STATについて解析した。その結果、SSI-1KO miceのfetal fibroblastではp38の活性化が低下しており、反対にSSI-1を安定発現させたマウス線維芽細胞ではp38の活性化の亢進を認めた。これらの結果から、SSI-1は生存シグナルを伝達するp38の活性化を亢進させることでTNF-αが誘導するアポトーシスを阻害することが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Fujimoto.M.,T.Naka: "Defective thymocyte development and perturbed homeostasis of T cells in SSI-1/SOCS-1 transgenic mice."J Immunol. 165. 1799-1806 (2000)

  • [文献書誌] Kawazoe.Y.,T.Naka: "SSI-1/SOCS-1 family proteins inhibit insulin signal transduction pathway through modulating IRS-1 phosphorylation."J Exp Med. 193. 263-269 (2001)

  • [文献書誌] Morita Y.,T.Naka: "SSI/SOCS-1 suppresses TNF a-induced cell death by regulation of p38 MAP kinase signal in fibroblast."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97. 5405-5410 (2000)

  • [文献書誌] Saito.H.,T.Naka: "Interferon regulatory factor-1 mediated transcriptional activation of mouse STAT-induced STAT inhibitor-1 gene promoter by interferon-gamma."J Immunol. 164. 5833-5843 (2000)

  • [文献書誌] Naka T: "Cytokine inhibitors (IRBM)"Negative feedback regulations of cytokine signals. 241-260 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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