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1999 年度 実績報告書

Gタンパク結合型受容体からのシグナルと免疫細胞活性化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 11670324
研究機関九州大学

研究代表者

中島 学  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50198074)

キーワード抗原受容体 / シグナル伝達 / ヒスタミンHI受容体欠損マウス / Btk / ZAP-7 / Gタンパク結合型受容体(GPCR) / TH1 / Th2バランス
研究概要

本研究では、Gタンパク結合型受容体(GPCR)であるヒスタミン及びその関連の受容体及びケモカイン受容体からのシグナルが、T細胞及びB細胞上の抗原受容体(TCR及びBCR)からのシグナル伝達との間でどのようなクロストークが存在し、Gタンパク結合型受容体(GPCR)シグナルがどのように抗原受容体からのシグナル伝達系を制御しているかを明らかにする事を目的に行った。その結果、(1)HI受容体欠損マウスB細胞においては、抗IgM抗体による架橋で誘導される細胞増殖反応およびTNP-Ficoll (T非依存性抗原)に対する免疫反応の著名な低下が観察された。その原因として、BCR刺激後のBtkの活性化の障害が考えられた。(2)HIR欠損T細胞において、抗CD3e架橋による細胞増殖反応の著名な低下、IL2産生の低下が観察された。HIR欠損T細胞を抗CD3e抗体で刺激した後のZAP-70の活性化の低下が見られ、NF-ATの核へのtranslocation、IL2遺伝子の転写低下が生じた。以上の結果は、Gタンパク結合型受容体(GPCR)シグナルが抗原受容体のシグナル伝達にBtk,ZAP70などの活性化を介して重要な正の制御を行っている事が明らかとなった。(3)HI受容体欠損(H1R)マウスをT依存性抗原で免疫し、その抗体産生能を調べてみるとTh2優性の反応(TH1依存性抗体産生の低下)が見られた。すなわち、IgG3の産生の低下、IL-2,IFN-gなどのTh1タイプのサイトカイン産生の低下、IL-4サイトカインの上昇が見られ、TH1/Th2バランスの破綻が生じていた。以上の結果から、Gタンパク結合型受容体(GPCR)シグナルはT細胞、B細胞の抗原受容体からのシグナル伝達系において重要な制御しているかが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Nakashima,K.Sonoda,T.Watanabe: "Inhibition of growth and induction of apoptotic cell death by a novel human tumor associated antigen,RCAS1"Nature Medicine. 5. 938-942 (1999)

  • [文献書誌] T.Kaku, M.Nakashima,T.Watanabe,et al.: "The prognostic significance of tumor-associated 22-1-1 expression in adenocarcinoma of the uterine cervix"Clinical Cancer Res.. 5. 1499-1453 (1999)

  • [文献書誌] Oiso M., Eura,M.Nakashima M.,et al.: "A newly identified MAGE-3-derived epitope recognized by HIA-A-24-restricted cytotoxic T lymphocytes"Int. J. Cancer. 5. 387-397 (1999)

  • [文献書誌] K/Sonoda,M.Nakashima,H.Nakano, et al.: "Timor associated antigen 22-1-1 expression in the uterine cervical squamous neoplasia"Clinical Cancer Research. 4. 1517-1520 (1999)

  • [文献書誌] Xiao-Mu Wu M. Nakashima, T.Watanabe, et al.: "Selective suppression of antigen-specific Th2 cells by continuous microdose oral tolerance"Eur. J. Immunol.. 28. 134-142 (1998)

  • [文献書誌] K. Sonoda, M. Nakashima, T. Watanabe, et al.: "A novel tumor associated antigen expressed on human uterine and ovarian carcinoma"Cancer. 77. 1501-1509 (1996)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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