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1999 年度 実績報告書

補体レクチン経路に関与するセリンプロテアーゼと新たな低分子蛋白の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 11670328
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

松下 操  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00165812)

キーワードマンノース結合レクチン / 補体 / レクチン経路 / セリンプロテアーゼ / MASP / sMAP
研究概要

血清中のマンノース結合レクチン(MBL)はレクチン経路を介して補体系を活性化する。ヒトMBLには古典的経路の成分であるC1r,C1sと構造類似の二種類のセリンプロテアーゼMASP(MASP-1とMASP-2)が結合しており、MBL-MASPが糖鎖に結合するとC4,C2,C3が限定分解を受ける。最近MBLにはMASP-2のスプライシングバリアントである低分子量蛋白(sMAP)が結合していることが判明した。本研究は古典的経路との比較の観点からレクチン経路の活性化機構の解明を目的とし、本年度は以下の成果を得た。
1)ヒト血清より、各種のアフィニティ-クロマトを順次用いて精製を行い、MASP-1とMASP-2を得た。sMAPはMASP-1画分に回収された。MASP-1にC3とC2分解活性が、MASP-2にC4とC2分解活性があり、これらの活性はC1インヒビター(C1INH)で阻害された。また、C1INHとMASP-1,C1INHとMASP-2は1:1の複合体を形成することがわかった。
2)ヒト血清より得られたMBLは様々なサイズのオリゴマーの形態をしている。これらを蔗糖密度勾配法で分画したところMBLの三量体画分が得られた。このMBL画分にはMASP-1とsMAPがあり、C3分解活性はあったが、C4分解活性はなかった。これは、MBLをMonoQで分画して得られた結果と一致した。従って、少なくともMBLの三量体にはMASP-1とsMAPが結合しているが、MASP-2はないことが明らかとなった。
3)報告者らが以前ヒト血清よりMBLの精製の過程で発見したN-アセチルグルコサミン結合性レクチンのficolin/P35にMASP-1,MASP-2,sMAPが結合しており、複合体がレクチン経路を活性化することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Matsushita: "Complement-activating complex of ficolin and mannose-binding lectin-associated serine protease"J.Immunol. 164. 2281-2284 (2000)

  • [文献書誌] M.Endo: "Complement activation through the lectin pathway in patients with Henoch-Schoenlen purpura nephritis"Am.J.Kidney Dis. 35. 401-407 (2000)

  • [文献書誌] M.Takahashi: "A truncated form of mannose-binding lectin-associated serine protease (MASP)-2 expressed by alterratire polyadenylation is a component of the lectin complement pethway."Int.Immunol. 11. 859-863 (1999)

  • [文献書誌] I.Osawa: "Evidence of lectin complement pathway activation in poststreptococcal glomerulonep briti"Kidney Int.. 56. 1159-1160 (1999)

  • [文献書誌] 松下 操: "補体検査-MBL欠損症について-"臨床検査. 43. 405-411 (1999)

  • [文献書誌] 松下 操: "補体活性化機構"日本臨床. 57. 291-297 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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