研究課題/領域番号 |
11670333
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
矢倉 英隆 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (60166486)
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研究分担者 |
水野 一也 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00219643)
荻本 真美 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (80158609)
片桐 達雄 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (00233742)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / PEP / チロシンキナーゼ / MAPキナーゼ / カルシウム動員 / 基質 |
研究概要 |
BCR(B細胞レセプター)シグナル伝達機構におけるPEPの役割を解明するために、PEPのアンチセンスcDNAを未熟B細胞株WEHI-231に発現したクローンとベクターのみを発現したコントロール・クローンを用いて解析した。その結果、以下のことが明らかになった。第一に、BCR刺激後に誘導される蛋白のチロシンリン酸化を抗リン酸化チロシン抗体によるウエスタン解析で検討したところ、アンチセンスとコントロール・クローンとの間に著しい差を認めなかった。このことから、PEPが初期のチロシンキナーゼの活性化に関与している可能性は少ないと考えた。第二に、BCR刺激後のカルシウム動員を解析したところ、アンチセンスクローンで著しく増強していることが明らかになった。第三に、MAPキナーゼ(MAPK)の活性化を検討したところ、ERK、JNK、p38のいずれもアンチセンスクローンでは抑制されていることが明らかになった。以上の結果は、PEPはカルシウム動員に至る過程をネガティブに制御しているが、MAPKの活性化に至る過程に対してポジティブな効果を及ぼしている酵素であることを示唆している。現在、その作用機序を解明するために、基質のトラッピング・ミュータントを作製して、基質の検索を進めている。
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